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“従北”のレッテルで統合進歩党を解散に追い込む韓国政府

登録:2014-09-10 21:04 修正:2014-09-11 11:10
イ・ジョンヒ統合進歩党代表(写真中央)が2月18日午後、ソウルの憲法裁判所で開かれた統合進歩党政党解散審判・政党活動禁止仮処分申請事件の第2回弁論を傍聴するため席で待っている。シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

韓国法務部、進歩党の解散審判に提出
政府の失政・屈辱外交などは度外視
進歩党側「‘従北’で進歩勢力を抑制」

 統合進歩党の政党解散審判の過程で、韓国法務部が狂牛病ろうそくデモなど進歩陣営の活動を北朝鮮と関連付ける意見書を憲法裁判所に出していたことが9日確認された。 法務部は2012年総選挙当時の野党連帯まで、北朝鮮の対南革命論に従ったものと主張した。

 法務部は先月29日に提出した「統一戦線戦術にともなう反米自主大衆闘争」という題名の準備書面で、進歩陣営の主な活動に北朝鮮の対南革命論が取り入れられたと明らかにした。 梅香里(メヒャンニ)米軍射爆場反対(2000年)、米軍装甲車女子中学生死亡(2002年)、平沢(ピョンテク)米軍基地阻止(2005~2006年)、マッカーサー将軍銅像撤去(2005年)、韓米自由貿易協定(FTA)反対(2006~2007年)、狂牛病ろうそくデモ(2008年)、反MB(李明博)闘争(2008~2009年)、済州(チェジュ)海軍基地移転反対(2011年)を代表的事例として挙げた。

 法務部はこのような活動について、北朝鮮の対南革命戦略である“韓国社会変革運動論”に追従する進歩党の人々が積極的に取り組んだ結果だと主張した。 法務部は準備書面で「北朝鮮は合法と不法を織り交ぜた多様な手段で“反米自主”闘争戦線を作り、中間層を結集して保守層を孤立させようとする対南戦略を繰り広げている」として「特に北朝鮮は1990年代以後に政党を通した革命戦略を活用し始めた」と分析した。

 法務部はこのような判断の根拠として、北朝鮮側組織の論評と進歩党会議録、北朝鮮側が民主労働党(進歩党の前身)に浸透したスパイ組織と言われる“旺載山(ワンジェサン)”に送ったという指令などを挙げた。 北朝鮮が「各界民衆は梅香里事件が見せた血の教訓を忘れずに反米闘争に立ち上がらなければならない」(韓国民族民主戦線スポークスマン)、「在韓米軍がこの地を強制的に占領している以上、第2の梅香里事態は起こり続ける」(反帝民族民主戦線スポークスマン)等の声明書を出したということだ。 また「米軍撤収のような戦略的スローガンを一貫して堅持」、「2008年ろうそく闘争、現在の中東反政府民衆運動(ジャスミン革命)の経験と教訓を分析し肯定的な要素を活用」という指令も下したと明らかにした。

 だが、法務部は大衆的抵抗の根本原因と動力である政府の失政と事大主義外交、市民の自発的参加などは無視する態度を見せた。 梅香里事件は爆撃で大きな苦痛を被った住民たちが射爆場の閉鎖を要求したもので、ヒョスン・ミソン事件(米軍装甲車女子中学生轢死事件)でも女子中学生の無念な犠牲に対する社会的公憤がその土台にあった。 狂牛病ろうそく集会も、国民の健康権を後まわしにするような政府の屈辱的態度が導火線になった。 当時、最高検察庁公安部長だったパク・ハンチョル憲法裁判所長は27回にわたり集会現場を訪れた後“市民の自発的参加とみるべきだ”として、強硬対応に反対したと伝えられている。

 法務部は、進歩党が北朝鮮の対南革命論に従い“議会闘争”と“大衆闘争”を有機的に併行しているとし、さらには2012年総選挙における野党連帯もこれに伴うものだと分析した。 法務部の政党解散審判TFのチョン・ジョムシク チーム長は「進歩党の内部構成員は北朝鮮以上に北朝鮮らしい観点で変革運動を行っている」として「進歩陣営全体に対する非難と映らないよう公開弁論で趣旨を説明する」と話した。

 進歩党弁護団のキム・ソンス弁護士は「法務部は政策に対する建設的批判や進歩陣営の自然な動きまで全て北朝鮮と関連したものとして評価している。 従北フレームをもって批判勢力の発言権さえ剥奪しようとしている」と話した。

ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/654573.html 韓国語原文入力:2014/09/10 09:12
訳J.S(1859字)

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