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[社説]道路陥没の恐怖に根本的な対策を立てろ

登録:2014-08-20 20:25 修正:2014-08-21 07:38

 ソウル蚕室(チャムシル)の石村(ソクチョン)駅付近で地面が突然陥没し穴(シンクホール)があき、さらに地下にできた空洞が相次いで発見されている。ソウル市調査団が10日余りかけて確認した陥没と空洞は7か所に及んだ。今後さらに発生する可能性もあると専門家たちは警告する。同駅周辺は市民が怖くて通行できない状態で、住民は不安におびえている。いつどこで爆発するかも知れない時限爆弾が、首都ソウルの都心に仕掛けられているのと変わらない。徹底した実態調査と原因解明、市民の安全を最優先にする根本的な対策が必要だ。

 今回発見された陥没と空洞は、石村地下道路区間に集中している。地下鉄9号線の3期工事が進められている区間であり、1キロくらい離れて123階建ての超高層建築である第2ロッテワールドタワーが建設されている場所でもある。ソウル市調査団は陥没の発生原因は、とりあえずは地下鉄9号線の掘削工事のためと推定している。該当区間の施工会社である「サムスン物産」は、石村地下道路の下を‘シールド工法’でトンネルを貫通させているが、この過程で軟弱地盤に触れ地盤のスキ間を埋めなかったために土砂が崩落したと見られるということだ。

 しかし陥没の原因を地下鉄9号線の工事のせいとばかり決め付けることはできない。つまり、不自然な土砂の消滅が第2ロッテワールド建設工事に関連しているという心配が完全には解消されていないためだ。現在までに多くの専門家が、第2ロッテワールドの掘削に伴って、大量の地下水流出と、それによって付近の石村湖の水位低下や周辺地域で地盤沈下の危険があると指摘している。実際、そのような異常の兆候は地下鉄9号線工事以前から何度も発生している。それなのにロッテ側は、第2ロッテワールドの低層部部分のオープンを承認してくれるよう6月からソウル市に求め続けている。少なくともソウル市の詳細な原因調査がなされるまでは第2ロッテワールドのオープンはしてはならない。

 道路陥没の恐怖の根本的な問題は、正確な実態と原因が把握できずにいる点にある。特に地下鉄や上下水道、地下水の移動経路や水量変化をひと目で確認できる地中の地図のようなものが韓国にはない。そのため総合的な地盤管理システムもありえず、常に後手に回った対策を繰り返してきた。陥没にともなう大型事故を防止するには、政府と地方自治体が徹底して事前予防の原則をたてて対応しなければならない。それがセウォル号事故が我々にくれた悲しい教訓である。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/651929.html 韓国語原文入力:2014/08/19 20:38
訳T.W(1151字)

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