労働組合。本当に人気がなくて古めかしい名前だ。 全世界のすべての国で労組組織率が下落している現象を見れば、21世紀にも労組は消え去る組織なのかもしれないという考えが頭をもたげる。 ところが、そのまま放っておいても次第に社会政治的影響力を喪失しているこの組織を、労組として認めさせるために今も韓国の労働者たちは命までかけなければならない。 先日結成された三星(サムスン)電子サービス労組がそうだ。 それだけではなく、6万人の組合員を率いて15年以上活動してきた全教組が、解雇者を組合員に含めたという理由で一日で法外労組になった。 西欧では二世紀前に労組を作って謀反罪で処罰されたり、使用者の刃物と銃に撃たれて死んだりしたが、韓国では今日でも労組自体が左翼、即ちなくしても良い団体として取り扱われている。
私はかなり以前から、韓国は憲法上の労働基本権が実際にはまともに保障されていない国だと考えてきた。 使用者が団体交渉を拒否しても処罰されることは殆どなく、労組活動をして解雇されても復職は空の星を取るにも等しい。 韓国最高の企業である三星(サムスン)では、まだ正規職員が労組を作れずにいて、公務員労組も法の外側にある。 労働者の最後の武器である団体行動をむやみに敢行すれば、業務妨害罪で処罰されるのが常で、民事上の損害賠償請求に遭って組合員一人一人の暮らしが完全に破壊されかねない。
従って大逆罪がないからと言って、韓国では労組が認められていて労働基本権が保障されていると話すことができようか? 87年民主化で、韓国では企業単位労組だけが主に認められたので、事実上団結権も半分しか認められていない状態だ。 すなわち被雇用者全体の10%だけが組織されて、アメリカと共に経済協力開発機構(OECD)国家でほとんど最下位の労組組織率を記録している韓国では、当初から企業別労組はいつ消えるかも知れない半分の労組だったと見ることができる。
私は韓国の企業別労組は‘制度的御用労組’だと見る。 すなわち労組は会社の経営に一切介入できず、自身の運命を会社の存立と利益に全面的に依存している。 しかも、この企業単位労組は自身の利益のために自分の会社と従属関係にある他の会社の被雇用者、非正規職労働者の賃金搾取を黙認する可能性がある。 全教組のように自分たちの職業的活動に最も甚大な影響を与える教育政策一般を団体交渉案件に上げられない身体障害者的なこの組織は、専ら組合員の処遇や利益だけに気を遣うことになり、生徒と父母など他の教育主体を無視して自分の利益だけを前面に出す可能性もあり、実際にそんなことも多かった。
しかし、今回労組活動をして解雇された9人を組合員名簿から除外しろという労働部の行政命令は、全教組に労組であることを放棄しろと言っているのと同じだ。 ドイツ労総の組合員の20%は雇用関係にない失業者であり、スウェーデンの場合には失業者や自営業者の比重はより一層高い。 韓国で複数労組が許容された以後、新たに設立された労組の70%は御用労組、すなわち会社の幹部や使用者側に立つ人々が組織したものだという。 これこそ労組の自主性を完全に否認した‘労組ではない’の典型だが、労働部や裁判所はこうした労組には一回も労組ではないと通知したことがない。
結局、労働部と裁判所は公共の名でこういう決定を下したが、普段から全教組を目の上のたんこぶのように考えて全教組の不法性を叫んできた腐敗私学、教育界の上層部などの私益集団が最も喜んでいる。 労組は組合員の私的利益に基盤を置くが、活動をした瞬間から非人間的な労働条件を改善し、企業経営の透明性と公正性、国家権力の正しい執行を監視する公的性格を持たざるをえない。 今回問題になった解雇者たちの大部分は、学校の不正清算に先頭に立って立ち向かい、不当に解雇された人々だ。 私益が公益を装って、政治が法を装っている。 自主性という言葉が何を意味するのか、国語辞典を書き直さなければならない。
結局、87年民主化が成し遂げた半分だけの労組、半分だけの民主主義が、大変に危なっかしく支えられて来たが、この朴槿恵政府で決定打を当てられたのだ。
キム・ドンチュン聖公会(ソンゴンフェ)大社会科学部教授