国家情報院の大統領選挙介入事件捜査をリードして、婚外子論議で辞退したチェ・ドンウク前検察総長を巡る種々の事件捜査が7日一段落した。 大統領府との関係がギスギスしたチェ前総長を‘追い出す’ために、組織的に不法裏調査を行ったという疑いに対して、検察は‘正当な監察活動’として無嫌疑処分を決定した。 <朝鮮日報>が権力周辺から情報を伝達されて婚外子問題を報道したという疑いについても不起訴処理した。 代わりに検察は、チェ・某君がチェ前総長の婚外子であることを事実上確認した。 チェ君の母親は弁護士法違反容疑で不拘束起訴、チェ君の口座に金銭を送ったチェ前総長の高校同窓は横領の容疑で拘束起訴した。 検察がどちら側にメスを入れ、どちら側には目を瞑ったのか明確に分かれている。
検察がこういう結論を下すところまで、まともに捜査したのかも疑問だ。 大統領府がチェ前総長に対する裏調査に各部署を総動員したことが明らかになっても、関係者の召還調査はなかった。 チェ君母子の個人情報を収集した民政首席室職員と雇用福祉首席室職員を書面調査したのみだ。 当時の民政首席と大統領府特別監察班班長を対面調査したと言っているが、調書を取るわけでもなく、家の近所などで会って意見を聞いてみた後に報告書を作成した程度だと言っているので、そんなものは調査と言うこともできない。 検察はこのようなフリだけの調査をしておきながら、大統領府の主張通りに「高位公職者に対する監察を主任務とする大統領府特別監査班の職務権限内の活動」と結論を出した。 これまで何を調査したと言うのか、他の事件でも犯罪容疑者の話を確認もせずにそのまま受け入れるのか、尋ねざるをえない。
朝鮮日報関連捜査も同じだ。 検察は昨年6月11日、チョ・某 前大統領府総務秘書官室行政官とソン・某 国家情報院情報官がソウル瑞草(ソチョ)区庁の局長を通じてチェ君の家族関係登録簿を問い合わせたものが朝鮮日報に流れたと推定しているようだ。 捜査発表ブリーフィングでそのように言った。 その時点は、大統領府特別監査班が情報提供を受けてチェ前総長の裏調査に動いたという6月下旬より2週間前だ。 当然に経緯を確認してみなければならないにもかかわらず、検察は「数ヶ月間の直接取材の結果」という朝鮮日報側主張をそのまま書き写すだけで何の捜査もしなかった。 それでも疑惑を裏付ける情況や証拠がないと言った。 やはり手放しで見逃してやろうとする姿だ。
今回の事件は、検察がここらで終わりにしようと言って終われることではない。 チェ前総長に繰り返し恥さらしを加え、今後も不正捜査を継続するという脅迫で蓋然性がより一層高まった疑惑が消えるはずもない。 かえって権力の顔色を伺うことに汲々としている検察に対する不信が深まるだけだ。