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[社説] 北韓は時代錯誤的な恐怖政治を直ちに止めよ

登録:2013-12-15 08:30 修正:2013-12-15 11:45

 北韓がチャン・ソンテク前朝鮮労働党行政部長を‘反党・反革命分派行為者’として烙印し、四日目に彼を国家転覆陰謀罪で死刑にしたと13日発表した。‘金正恩式恐怖政治’が本格化する兆しであり憂慮される。

 チャン・ソンテクに対する電撃的な死刑執行は、北韓政権の後進性と残忍さを示している。北韓の政権樹立以後、最高権力者であった金日成・金正日・金正恩の3代にわたる親姻戚の中で死刑の事実が大々的に公開された人はチャン・ソンテク唯一人だ。今回のケースと比較されるのは1950年代中盤の南労働党系の粛清だ。当時処刑されたパク・ホンヨンも、チャン・ソンテクのようにナンバー2だった上、罪目もやはり似ている。時代錯誤的な‘血の粛清’が60年の歳月を経て繰り返されているわけだ。民主化が進んだ現在の“地球村”では稀有の事態だ。

 北韓当局が公開したチャン・ソンテクの犯罪事実がどの程度事実なのか分からないが、金正恩党第1秘書が彼を威嚇勢力と感じたことは明らかに分かる。金正恩体制を構築する上で、チャン・ソンテクの‘40年の権力’が大きな障害物になっていたことは分かる。これは今回の処刑の影響が尋常ではないことを示唆する。実際、チャン・ソンテクに対する判決文には党・政・軍の多彩な関係者たちが言及されている。羅先経済特区など彼が関与した改革・開放政策と対外政策も審判の対象になった。特に過去数年間、米国と我が国の対北政策の基調であった‘戦略的忍耐’と‘忍耐戦略’をチャン・ソンテクの国家転覆陰謀に結びつけたことは、軍部など強硬派の発言権が強まったことを裏付ける。

 北韓政権は直ちに時代錯誤的な恐怖政治を中断することを望む。恐怖政治は権力を暴力で維持するほかないという事実を国内外に告白するようなものだ。また恐怖政治は一時的に住民を団結させる効果があるかもわからないが、結局は体制維持の毒になるはずだ。恐怖政治が改革・開放と相反することは言うまでもない。対北関係を円満に維持しようとしている中国も、すでに経済協力拡大を警戒する動きを見せている。

 我が国の態度が重要な時だ。まず北韓体制の崩壊が近づいたという見方には警戒すべきだ。そういう風には見難い上に、そのような主張がなされるにつれて北韓政権は恐怖政治を強化しやくなる。今の状況を口実に国家情報院改革などの国内事案を疎かにしてもならない。セヌリ党はすでにそのような姿を見せている。政府は朝鮮半島情勢を安定させつつ、6者会談の再開と南北関係改善などの懸案を進められる方法について知恵をしぼるべきだ。南北関係が良かったならば、現在北韓で繰り広げられている事態は、起きなかったかもしれない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/615287.html 韓国語原文入力:2013/12/13 19:03
訳T.W(1228字)

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