‘免疫体系活性化’側面も
‘イ・ソクキ=統合進歩党’等式を破るべき…過度な‘従北追い込み’はループスと類似
‘イ・ソクキ議員録音記録’を読んで、あの年配の方を思い出した。 彼は酒に酔えば越南(ベトナム)でベトコンを捉えた話をまくし立てた。 戦車砲を撃ってベトコンを殺したと話した。 アカはそのように捉えるものだと言った。 実は彼は行政兵であったし、まともに戦闘に参加したこともないということをしばらくしてから知った。 彼がした武勇談は、たいてい同僚たちが誇張して伝えた虚構であった。
うらやましがられたい思うには人情だ。 それでも嘘ならまだ良い。 欲求が嵩じれば小英雄主義という病気に罹る。 女より男たちに発病率が高い。 このような人々は‘最も重要な決定は自分がする’、‘本当の主人公はまさにこの私だ’という幻想に陥る。 いつも‘本当の背後’になろうとする。
<韓国日報>が公開した録音記録には「60余年間にわたり形成された現情勢を押し倒さなければならない」、「来るべき戦争と真っ向対峙しよう」、「アメリカを追い出して新しい段階の自主的社会、搾取と虚偽のない朝鮮民族の時代の夢を作ることができる」、「物質的、技術的準備をしなければならない」という表現が出てくる。 イ・ソクキ議員が正確に否認できないのを見れば、そういう話をしたりもしたように見える。 ‘骨の髄まで平和主義者’という彼の解明は信じ難い。
反米と自主を強調する彼の主張は、1980年代中盤に民族解放(NL)系列の一部理論家の主張と似ている。 当時はそのような分析が韓半島情勢を説明できる有力な仮説だった。 ところが30年前の仮説で現在を分析すれば妄想になる。
帯状疱疹という病気がある。 幼い時に体内に入った水痘ウイルスが活性化して現れる疾患だ。 歳を取ったり疲労が積もって体の免疫力が落ちれば発症する。 帯状の水泡ができるので帯状疱疹と呼ぶが、ウイルスが神経細胞を壊すので途方もない痛みを起こす。 帯状疱疹は完治の方法がない。 ウイルスを撲滅できないためだ。 人体の免疫力を引き上げてウイルスを再び体内奥深くに閉じ込める他はない。 水痘ウイルスが人体にとって有害とばかりも言えない。 水痘ウイルスがいなくなれば免疫体系が弱まり他の病気に罹るかも知れない。
大韓民国には‘主体思想派’もいれば‘ガスボンベ爺さん’もいる。 彼らの行為が違法に至れば刑事処罰しなければならないのはもちろんだ。 違法に至らなければ、一緒に暮らさなければならない。 憲法は良心の自由、思想の自由を保障している。 逆説的には主体思想派やガストン爺さんのおかげで、私たちの社会が免疫力と復原力を維持しているとも言える。 重要なことは、彼らが主導権を握れないようにすることだ。
今、本当に心配しなければならないことはむしろ過剰対応の方だ。 セヌリ党のユ・ギジュン最高委員は、政府が統合進歩党の政党資格をきちんと判断しなければならないと注文した。 政党の解散を要求するということだ。 イ・ヘフン、シム・ジェチョル、チョン・ウテク最高委員は総選挙で統合進歩党と連帯したという理由で民主党の誤りを挙論した。 <朝鮮日報>は‘国会議員イ・ソクキを作った責任’という題名の社説で、盧武鉉政府の赦免・復権と民主党の選挙連帯を批判した。
彼らはイ・ソクキ議員と統合進歩党全体を同一視する過ちを犯している。統合進歩党は2000年に作られた民主労働党の後身だ。 労働者の血と涙で作った政党だ。 世の中を正すとして現場に飛び込んだ活動家の献身で作った政党だ。 綱領と党憲・党規のどこにも違憲要素がない。 統合進歩党は自ら今回の事件の真相を把握し処理できる力量を備えていると信じる。
ループスという自己免疫疾患がある。 ラテン語でオオカミという意だ。 皮膚に現れる傷がオオカミに噛まれた跡に似ているためについた病名だ。 自己免疫は外部から人体を防御する免疫系が異常を起こして、反対に自身の身体を攻撃する現象だ。 皮膚、関節、心臓、肺、神経など全身に炎症と深刻な痛みを起こす。 患者はたいてい可妊期の女性たちで、原因もわからず完治方法もない。
保守勢力の一部では統合進歩党だけでなく正義党と民主党まで従北に追い詰めて無駄な論難を起こしている。 ループスにそっくりだ。
ソン・ハンヨン政治部先任記者 shy99＠hani.co.kr
訳J.S(2098字)
