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[社説] 非正規職解決法 9月国会で結論を

登録:2013-08-23 22:51 修正:2013-08-24 06:35

 13年間小学校の科学室で働いたキム・某(53・女)さんが17日、学校内の運動場の木で首をくくって死亡しているのが見つかった。彼女の死は非正規職の差別が生んだ典型的な悲劇だ。正規職である行政職(地方公務員)は、60日の有給病休や給与の70%を受けながら1年間休職できるが、教員の非正規職は病んでも年間最大60日の病休しかとれないようにした差別規定が彼女を袋小路に追い込んだ主犯だ。

 学校の非正規職差別は病休だけではない。平均年俸は1605万3000ウォン(勤続5.3年基準)で、勤続年数が同じ正規職(2730万6000ウォン)の58.5%水準だ。36万人いる学校非正規職の内、77%(28万人)が期限付き雇用であり、残りは無期契約職ながら彼らのすべてが風前の灯火のように解雇の不安に怯えている。校長の息子の結婚式招待状2000枚を折りたたみ発送しなければならなかった非正規職の話など、彼らの悲哀はつきない。

 正規職と非正規職の間の深淵を埋めることは‘人間的な痛み’を癒す以上のものだ。最近のある研究結果によると、2000年から2007年までの非正規職の比率を10%縮小できていたら、国内総生産が3.17%高まっていたと推定される。非正規職が正規職に転換されれば労働所得の比率が8%増加し、消費が7.3%増えるという計算だ。成長の限界に直面したわが国の経済に一息つかせられるということだ。

 非正規職の問題解決は昨年の総選挙と大統領選挙の時に与野党みなが最優先課題として持ち出した事案だ。セヌリ党が19代国会で一番最初に発議した法が社内下請け法であったし、民主党もさまざまな法案を提出した。しかし話だけがにぎやかで、一歩も進んでいない。法案は現在国会の環境労働委員会法案小委の段階で議論さえまともになされずに留まっている。実際、解決の方向についてはある程度の共通認識が形成されている。非正規職の使用を厳格に制限し、特別な場合に限って使えるようにしたり、同一労働には同一賃金を与えなければならないという原則などだ。解決法がないわけではなく意思がないことが問題だ。

 朴槿恵大統領は当選後に報道機関の編集・報道局長と面談した席で、任期中に非正規職問題を解決するという意思を明確に示したことがある。大統領の約束が言葉だけに終わらないようにするには、政府与党が立ち上がって今回の9月定期国会で本格的な議論がなされるようにすべきだ。現実に絶望した労働者の死への行進はもう断たねばならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/600511.html 韓国語原文入力:2013/08/22 19:00
訳T.W(1155字)

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