米国が駐米韓国大使館をはじめ38ヶ国の在米公館を盗聴していた事実が暴露された。 同様のことが1970年代にもあった。
<ワシントン ポスト>は1976年10月‘コリア ゲート’を特ダネ報道した。 朴正熙大統領がロビイスト パク・トンソンを雇用して米国議会議員を金で丸め込んだという内容だ。 そして、このような情報は米国中央情報局(CIA)が大統領府を盗聴して分かったと付け加えた。 しばらくして<ニューヨーク タイムズ>は盗聴方法を詳細に報道した。 大統領府内に秘密装置を設置する必要はなく‘高性能指向性電波探知’を利用してガラス窓の震えなどから盗聴できるということだ。 駐韓米国大使館から大統領府の距離程度ならば、この装置を十分に利用できるとも述べた。
当時チェ・ギュハ国務総理は国会で「直ちに駐米大使に真相を調査するよう指示する一方、パク・ドンジン外務部長官は駐韓米大使に真相を明らかにすることを要求し、事実でないという明確な答弁を聞いた」と話した。
しかし在米言論人アン・チヨン氏が昨年出した<朴正熙対米ロビーXファイル>を見れば話が全く違う。 リチャード・スナイダー駐韓米国大使が1976年11月に本国に打電した秘密電文の内容を見れば、パク・ドンジン外務部長官がスナイダー大使を呼び 「どうか米国政府が大統領府盗聴説が事実でないと公式に否認してほしい」と哀願している。 パク長官は「朴大統領が難しい状況に置かれ恐れている」とも伝えた。 主権国家の大統領として抗議するどころか、ひたすら覆い隠そうとしたわけだ。
このような姿は2013年韓国政府の態度と似ている。 他国はみないきり立っているが、わが国だけが "正確な事実関係を確認中" とし非常に冷静な姿を見せている。
盗聴事件の後、朴正熙大統領は大統領府の窓を全て3重窓に変え、KISTに盗聴防止装置を開発するよう注文しただけだった。盗聴に対する朴槿恵(パク・クネ)大統領の対応方式が気になる。
キム・ウィギョム論説委員 kyummy@hani.co.kr