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[社説] 国史編纂委、歴史右傾わい曲のお膳立てするのか

登録:2013-06-02 20:45 修正:2013-06-03 07:09

 韓国現代史学会の高校用の韓国史教科書が国史編纂委員会の検定審議本会議を通過した。この学会はニューライト系の学者の集いで、一部は2008年に全経連の後援で代案教科書を発刊したことがある。当時のパンフレットには日帝併呑期を近代化力量蓄積期と説明し、金九(キム・グ)先生を抗日テロリストとして記述したり、李承晩や朴正熙体制を美化する内容が盛り込まれて論議をかもした。今回の執筆者の指向が代案教科書の執筆者と変わりなく、新しい教科書の内容を推し量ることは難しくないだろう。実際、現代史学会などのニューライト側はこれをきっかけにもう一度現代史の覆しに総攻勢をかけている。昨日<朝鮮日報>後援で開かれた学術大会で彼らはいっせいに、しかしオウムのように他の教科書の事実と異なる‘左偏向問題’に文句をつけた。

 現代史学会には、歴史の研究より政治的歴史解釈に重点を置いている非専攻者が大勢参加している。彼らの的外れな主張にいちいち反論する必要はない。しかし根拠薄弱な主張や、偏向したごく少数の政治的見解を教科書の内容として認めたとすれば、国史編纂委の審議姿勢は非難されざるを得ない。もちろん検定教科書の趣旨により多様な解釈と見解を入れることは推奨するべきだ。しかし植民地近代化論や独裁体制美化、そのための事実歪曲などまでを認めることはできない。委員会は他の教科書に対してはキム・ファルラン氏関連の記述や臨時政府の構成問題について公知の事実までも修正するよう要求したという。委員会が官辺学者の政治的挑発のお膳立てをしているという指摘を避けることはできないほどだ。

 教科書の執筆者の一人は、既存の教科書について「普遍的憲法価値の代わりに特定の思想的価値を中心にして記述している。親日・反日、民主・ファッショという架空的な対立を歴史観にしている" という主張を繰り広げたという。情けない。最高の憲法価値は民主主義と人権だ。国家が堅固でなければならない理由もこの価値を守るためだ。そのため、国権を強奪して国民を奴隷にした日帝の侵略と略奪、民主主義と人権を蹂躪した独裁政権について教科書がどのように記述すべきかは自明だ。しかし彼らが要求する観点はとんでもない肯定的アイデンティティ植え付けだ。併呑であれ反民主であれ、とにかく肯定的に記述しなければならないというのか。歴史が事実ではなく特定目的で記述されることは避けなければならない。憲法的価値を否定する側に記述することは一層避けなければならない。それは歴史ではなくイデオロギーだ。

国史編纂委は歴史を官辺学者や資本と権力の御用学者が壟断しないようにしなければならない。最終審査は彼らが言う通り憲法的価値が具現されるようにしなければならない。委員会が歴史わい曲の助け役にならないように願う。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/589962.html 韓国語原文入力:2013/06/01 10:34
訳T.W(1276字)

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