本文に移動

[社説] 歴史否定極まる安倍の靖国神社認識

登録:2013-05-20 23:02 修正:2013-05-21 08:37

 安倍晋三 日本総理の‘歴史挑発’がタブーの境界をあっさりと跳び越えた。安倍総理は最近、米国の外交専門誌<フォーリン アフェアーズ>の最新号とのインタビューで 「米国国民が戦死者に敬意を表わす場所であるアーリントン国立墓地を考えてみてください。日本のために命を捧げた人々のために弔意を表わすのは当然のことで、他国の指導者がしていることと何のかわりもない」と語った。米国民が戦死者に敬意を表わす場所であるアーリントン国立墓地と靖国神社が同じだという論理だ。一言で言って、とんでもない歴史認識だ。

 靖国神社とアーリントンが違う点は、靖国神社には東京裁判でA級戦犯として処罰された14人の位牌が安置されているという事実だ。アーリントン墓地には国際的に公認された戦犯はいない。安倍総理がこのような点を明らかに知りながらも、二つの施設の性格が同じだと主張するのは第2次世界大戦の敗戦とそれにともなう東京裁判の結果を認めないという宣言といえる。あたかもドイツ総理がヒットラーの墓地に参拝しながら、それがアーリントンに行く行動と何が違うかと尋ねるのと同じ没常識、没歴史的な言動だ。

 これでも彼が最近、野球の始球式を務めて憲法改正手続きが記された第96条を示唆する96番の背番号をつけたのも、航空自衛隊を訪問して第2次大戦当時に満州で生体実験した731部隊を連想させる‘731’番が記された訓練機に乗って親指を立てて見せた行動が果たして偶然の一致と弁解できるか訊ねたい。侵略の定義は定まっていないなどと云々して、世論の成り行きによって出方を繰り返し変えて、日本軍慰安婦の政府関与を否定する彼の言動の根源が今回の発言で白日の下にあらわれた。総理の水準がこの程度だから極右指向の橋下徹 大阪市長と石原慎太郎 前東京都知事のような人が水を得た魚のように日本にだけ慰安婦制度があったわけではないと妄言を言ってまわるのではないのか。

 安倍総理の確信犯のような歪んだ歴史認識については我が国だけでなく人権と平和を愛するすべての世界の人々が乗り出して糾弾するのが当然だ。特に我が国の政府は‘安倍日本’とどのような部分で協力でき、どの部分は受け入れられないか、明確な基準を設けて対処すべきだろう。歴史認識のために北韓、経済、環境、文化などの協力を中断できないのと同様に、逆にそれと関わりなく全面協力をすることもできない。

 最も重要なのはどんな場合にも侵略を否定し植民支配を美化する日本には絶対に妥協しないという信号を一貫して強力に送ることだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/588196.html 韓国語原文入力:2013/05/20 19:10
訳T.W(1174字)