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[社説] 不良部品で稼動する「不良原発」

登録:2013-05-29 08:27 修正:2013-05-29 10:52

 新古里(シンゴリ)原子力発電所の1・2号機と新月城(シンウォルソン)1・2号機に不合格判定を受けた部品が使われている事が分かったという。原子力安全委員会(原安委)は稼動中の原子炉の停止を指示し、今夏の電力需給も非常事態になった。原発の不良部品は昨年も大問題になって関連機関がシステム整備と再発防止を念押ししたことがある。それでもこうしたことが絶えないので不安にならざるをえない。

 試験成績書を偽造した部品は制御ケーブルで、原発事故発生時の原子炉の冷却など安全系統に動作信号を送る装置という。原安委によれば、制御ケーブル試験の一部を海外の試験機関に依頼した国内の試験機関がこの海外試験機関が発行した試験成績書を偽造したという。制御ケーブルが正常機能を発揮できない場合、核燃料の冷却および外部への放射性物質遮断機能に異常が生じかねず、ややもすると大事故につながりえる。

 このような事実が明らかになったのも原子力産業界の不正を防ぐために原安委が運営する目安箱に誰かが情報提供したおかげだった。この部品が設置されたのは2008年なので、5年もの間知られずに稼動していたのだ。遅まきながら分かったから良かったものの、情報提供がなければ偽造部品が組み込まれた原発をいまだに稼動しているところだった。昨年の品質書類偽造に対して聞き取り調査をしたという原安委と韓国水力原子力の検証システムにまた弱点が明らかになった。

 数万個の部品が組み込まれた原発はわずか一つの部品が故障を起こしても連鎖的に安全が脅威にさらされることがありえる。制御系統の部品は原発の安全設備の最重要品の一つなのにこうしたことが発生するのは衝撃的だ。 昨年にも霊光(ヨングァン)原発で品質検証書が偽造された部品が供給された事実が発覚して、しばらく稼動が中断されたことがある。また、古里2号機と霊光1~4号機に納品された部品の試験成績書が偽造され、その過程で韓水原職員が納品業者から裏金を受けていた事実が分かったこともある。いったん納品された部品がこっそり持ち出され再び納品されたり、中古部品が新しい製品に偽造されて納品されるなど不正手法も多様だ。

 韓水原が優位な立場から300社に及ぶ部品の納品業者を管理して、原発運営を閉鎖的にしているので必然的な結果といえる。納品業者としては不合格判定を極力避けたいのだから、類似の事例もあると見られる。今回分かったものだけでなく、別の所に不良部品が組み込まれた余地はないか徹底的に調べるべきだ。原発の稼動停止で電力需給に非常灯がつくことがあろうが、もっと重要なのが、安全だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/589380.html 韓国語原文入力:2013/05/28 19:14
訳T.W(1201字)

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