北韓の長距離ロケット発射と第3次核実験に触発された東北アジアの軍事緊張が一段落し、関連国の外交が活発に動き始めた。緊張の原因提供者であった北韓は先週中国にチェ・リョンヘ朝鮮人民軍総政治局長を金正恩労働党第1秘書の特使として派遣した。チェ特使は、習近平国家主席らに会って対話と交渉を通じた問題解決の意思を明らかにした。これに先立って北韓は日本の飯島勲 内閣官房参与の北韓訪問を受け入れて第3次北韓-日本首脳会談の可能性を打診した。どんな意図であれ、北韓が軍事挑発でなく対話と妥協で問題を解決しようとする動きを見せるのは好ましい。
北韓がこの時点で活発な外交攻勢をかけるのは、今月初めの韓-米首脳会談で対北政策の協力を強化して、同盟国である中国までが北韓の核挑発に背を向ける国際孤立状況を打開しようとする目的が大きいだろう。また来月7、8日に米国で開かれる米-中首脳会談と、来月末に予定されている韓-中首脳会談を控えて中国を通じて自身の利害を反映させようとする狙いもあるといえる。
このような状況は信頼プロセスと東北アジア平和構想を前面に出して半島情勢を管理、主導しようとする朴槿恵政府に、挑戦とチャンスを同時に提供している。北韓が日本を引き込んで中国に特使を派遣し、わが国政府が試みている韓-米-日協力、中国を通した北韓の変化誘導努力を牽制することが挑戦であり、北韓が挑発を止めて対話を通じた問題解決の動きを見せることがチャンスだ。
しかし憂慮されるのは朴槿恵政府が北韓のこのような動きをチャンスではなく、挑戦および危機としてのみ受け止めるのではないかという点だ。政府が飯島勲参与の北韓訪問について‘韓-米-日協力をつぶすもの’と公開的に不満を示したのが端的な例だ。中国はわが政府とは異なり飯島参与の北韓訪問を肯定的に評価した。複雑な利害が交錯する状況を立体的に見て我が国に有利に活用しようとする知恵が必要だ。
朴槿恵政府が、変化する半島情勢を主導するためには南北関係改善に一層力を注がなければならない。‘核開発と経済発展を同時に達成できない’という話は正しいが、大統領がそのような主張だけ繰り返すのは望ましくない。南北が対立して断絶するほど、周辺国の影響力が大きくなり、対話して協力するほど私たちの主導権が大きくなるという事実を肝に銘じなければならない。そのような面から北韓が5年ぶりに提案した6・15共同宣言記念行事の共同開催を受け入れて、行き詰まっている南北対話の糸口を開くきっかけを作ることも積極的に検討するに値する。