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[社説] 開城工団の正常化、努力し続けるべき

登録:2013-04-28 13:24 修正:2013-04-29 06:13

 政府が昨日開城(ケソン)工業団地に留まっていた南側の人をすべて撤収させることにした。先立って北は南の開城工業団地正常化実務会談の提案を拒否した。政府の措置は性急で、北の態度は残念だ。両方とも事態を悪化させうる行動を自粛して解決策の摸索に乗り出さねばならない。

 政府は工団内の南の人材が生活必需品さえ供給されえない状況なので、もう待つことができないといった。これはそれなりに一理がある。生活必需品の輸送まで止めた北の態度は非人道的である。しかし、人材撤収を先に発表することによって事態がいっそうややこしくなった。北はこれを開城工業団地を南が軽く考えていると解釈しうる。入居企業等の大部分も今回の措置に批判的だ。北が工団の操業を一方的に中止させたことは大きな誤りだが、南も似た方法で行動しては解決法が見出せない。‘北の性根を叩きなおす’というやり方では先の政権と違うところがない。

 北は依然として政治・軍事的目標を追求するために開城工業団地を担保とする姿勢を見せている。このような態度は変えるべきだ。北は昨日‘開城工業地区は6・15統一時代の高貴な成果’といった。これは工団を対南威嚇手段とする今の姿と矛盾する。もし工団が閉鎖されるならば対決を求める勢力の声がいっそう高まるほかはない。北は対北韓経済協力を安定的に推進・拡大できる国が南だけであることを知るべきだ。北は直ちに工団の正常化を始めてこそ当然だ。

 政府は開城工業団地の正常化の努力をあきらめてはならない。まず簡単に工団の閉鎖を取り上げ論じるなどの不必要な感情対決は避けるべきだ。そしてもう少し大きな枠組みで解決策を模索する必要がある。北の新しい政権が工団操業の中止措置を取った背景には、工団の拡張計画が南北合意のとおりになされなかったことに対する不満などがある。金剛山(クムガンサン)観光など他の南北経済協力事業がすべて中断されたまま再開されずにいることも南北間の信頼を損ねている。もうこれらの事案を包括的に解くことができる方法を見出す時だ。政府は開城工業団地の正常化と経済協力拡大に対する確固とした意思を示さなければならない。金剛山観光の再開検討もその中の一つだ。

 セヌリ党のファン・ウヨ代表の話のように「開城工業団地は南北韓はもちろん東北アジアの平和のためにも重要なところ」であり「どんな状況でも維持すべき」だ。先の政権の時に経験したように、今、南北関係を間違えれば朴槿恵政府の5年間はずっと苦労しかねない。その試金石が開城工業団地だ。遅くとも来月上旬の韓-米首脳会談の前後が明らかな転機となることを願う。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/584793.html 韓国語原文入力:2013/04/26 20:13
訳T.W(1211字)

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