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[社説] 反面教師とすべき李明博政権の5年

登録:2013-02-20 17:21 修正:2013-02-20 20:17

 李明博大統領が昨日の退任演説を最後に執権5年を事実上終えた。25日の朴槿恵政府のスタートに先立ち、李大統領は24日に大統領府を去りソウル、論ヒョン洞の私邸に越すという。問題も多く文句も多かった李明博政府の5年に対する評価はこれから始まるといえる。冷徹な評価と反省だけがより良い未来を約束できる。

 退任する大統領の働きと功績を評価するのに遠慮はいらない。李大統領が自評した通り、在任中に米国発の金融危機とヨーロッパ発の財政危機の高波に対抗して我が国はほぼ唯一国家信用等級が上がり、グリーン気候基金の事務局誘致を成功させ、ソウルG20首脳会議や核安保首脳会議を成功裏に開催した。それでも、こういういくつかの結果を掲げて、李大統領が "私が大統領になって数百年遅れた辺境から世界の中心まで来た" "私は世界で最も熱心に仕事をした大統領" などと自画自賛したことは赤面ものだ。産業化と民主化を同時に達成し、我が国が世界の模範的な国家の仲間入りをしたのは久しい話だ。国家的地位が高まったとすればそれは過去に私たち国民皆が血の汗を流して努力した結果の総和であって、李大統領個人の業績ではない。

 李政権の5年は一言で言えば政治が失踪した時代だったと言える。大統領として国家を導いていく哲学やビジョンがないばかりか、基本的な指導者としての品格さえ持ち備えなかったために、自ら国の品格を下げる役割をした。李大統領は先進一流国家になる基礎を作るために昼夜分かたず駆け回ったと話したが、民主主義と社会の品格の退行という結果をもたらしたにすぎない。大統領は熱心に働いて幸せだったかも知れないが、それを見守る国民は不幸に歯を食いしばるしかなかったためだ。

 李大統領の在任5年をめぐっては政治功績より汚点として記録される項目があまりに多く、数え上げることすら難しい。22兆ウォンを注ぎ込んだ4大河川事業は監査の結果、総体的不良と判定され、南北関係は天安(チョナン)艦と延坪島(ヨンピョンド)事態と第3次核実験などで破綻状況に陥った。報道機関と検察を権力のしもべとしながらも実兄と側近が次々と拘束されて‘道徳的に完ぺきな政権’というスローガンは笑い話になり、内谷洞(ネゴクトン)私邸土地疑惑で大統領一家が特検の捜査対象になった。民間人の不法査察、コソヨン(高麗大・ソマン教会・嶺南)人事、牛肉波動、任期終盤の傲慢な側近特赦に至るまで、大統領の資質を疑わせることが絶えなかった。

 もう政権は終わり、評価は歴史にゆだねられた。責任を問うことがあれば徹底的に糾明し、功罪を厳格に評価して後世の反面教師としなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/574564.html 韓国語原文入力:2013/02/19 22:27
訳T.W(1223字)

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