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[社説] 15年ぶり最高投票率の明暗

登録:2012-12-20 09:23 修正:2012-12-20 10:17

 昨日行われた18代大統領選挙で最近15年間で最も高い75.8%(暫定分)の投票率を記録した。 寒天にもかかわらずこのように高い投票率を示したことは今回の大統領選挙が進歩と保守の類例のない正面対決様相で進行されながら有権者の高い関心を引いたためと見える。 それだけに殺伐とした暮らしに踏み付けられてきた有権者が政治に対する期待感を切迫感をもって表したという意味でもある。 そこに安哲秀(アン・チョルス)候補の出馬に続く野党圏候補単一化で若年層の関心が高まった点と3回にわたるテレビ討論以後に浮動票が減ったことも影響を及ぼしたと見られる。

 今回の選挙で投票率が75%以上に高まれば野党候補が絶対的に有利といっていた予想がはずれたことも特徴的だ。 年齢別構成比で50代以上の有権者が占める比率が高まったことが少なからぬ影響を及ぼしたものと見られる。 今後、世代別対立構図が固まる可能性を垣間見られる内容でもある。

 投票率は高かったが選挙終盤に混濁様相を見せた事実は汚点として指摘せざるをえない。 特に 「私たちの戦略は中道層が投票をあきらめるようにすること」と言ったキム・ムソン セヌリ党総括本部長の言葉のように、与党が終盤に意図的といえるほどに混濁した選挙戦を主導したことは遺憾だ。 与党選対委幹部が秘密事務室で不法コメント付けをするなど、不法選挙運動を行った事件や総合状況室長が車両を動員して投票を促せとの携帯メールを回したことも釈然としない場面だ。

 投票率向上のために制度的に手を加えなければならない部分は依然として残っている。 デパートやマート、建設現場従事者と非正規職など勤務条件上 投票が不可能な人々が依然として多い。 今回の選挙を控えて民主労総と参与連帯など全国200余り市民社会団体と有権者が‘投票権保障共同行動’という組織を作って投票権保障のための活動に乗り出さざるを得なかったのもそのためだ。 最小限、投票時間を延長する措置が必要だ。 それだけでなく一時セヌリ党が提示したように全国どの投票所でも身分証さえあれば投票できるようにする統合名簿制や、投票日の10~20日前にも投票できる早期投票制なども検討する必要がある。

 現行公職選挙法と勤労基準法に投票権を保障する条項があるものの、労組結成率が低い状況で労働者が個人的にこれを使用者に要求することは容易ではない。 一般企業の場合、団体協約以外には投票権保障を強制する方法がない状況で、投票日を法定公休日に指定する方案が至急必要だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/566244.html 韓国語原文入力:2012/12/20 08:52
訳J.S(1159字)