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[社説] 文、安候補はまずは会ってわだかまりを解くべき

登録:2012-11-16 23:31 修正:2012-11-17 07:26

  文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補と安哲秀(アン・チョルス)無所属候補の野党勢力一本化交渉が一時中断したまま解決の糸口を見出せずにいる。両陣営が、問題解決のための実質的で虚心坦壊な議論よりは、大儀名分を掲げることに汲々として競い合っている状態だ。

 安候補は昨日の会見で「文候補が民主党革新に対する確固たる実践の意思を示せば、すぐにでも会って新しい政治の実現と一本化の過程をどのように進めるかを相談しても良い」と話した。文候補との会合を提案したものの、交渉のネックが民主党のいわゆる‘旧態政治’ためという認識を示したわけだ。文候補はこれに対し「安候補が話すのを聞けば、わが方が非常に不正な競争をしていると思っているようだが、今はそんなことを言っている状況ではないと思う」と話した。交渉を行なう責任が事実上、安候補側にあるという主張に聞こえる。

 両候補が互いに責任を転嫁しているような様子は非常に憂慮すべき事態だ。まず安候補が提起した民主党革新の具体的な内容が何かが曖昧だ。党革新が一本化とどのように連結するのかも国民には簡単には理解し難い。安候補の主張は、結局一本化の局面がいわゆる‘親盧、覇権主義’等の既得権政治で不利になっているという抗議の表示と読める。しかしこれは、自分が不利だから話題を変えようとしているという批判を受けやすい。

 文候補が事態収拾策を用意するよりは安候補側の誇張報告に言及したことは安候補が一本化を危うくしているという点を浮き彫りにすることによって相対的な得点を得ようとしている態度と見える。一本化交渉の出口を開くべき兄貴分らしい態度ではない。

 両候補には数日前のソウル大ペク・ナクチョン名誉教授の呼び掛けを再確認してみることを願いたい。ペク教授は呼びかけで 「民主党議員と指導部の大多数の間に民主党と文候補が今に至るまでに‘安哲秀現象’と安候補からいかに多くの恩恵を受けたかに対する感謝の気持ちが足りなくみえる」 と記した。彼は安候補に対しては「‘譲歩論’等に対する反発がどこまで的を射た政治的対応で、どこからが現実政治に慣れていない新人の過剰反応なのかを、もう片方の目で見ることができなければならない」と記した。両候補が肝に銘じなければならない指摘だ。

 安候補はより明確で具体的な歩みで交渉の膠着状態をまず打開することによって国民の期待に応えなければならない。文候補と民主党は朴槿恵の勢力を揺さぶった安候補を、単に一本化交渉の焚きつけ役程度で適当に引き込もうとしたのではないかと内省すべきだ。結局は両候補が会わなければならない。会って紛らわしい点、不快な点、是正すべき点をすり合わせ、わだかまりを一掃した後、原点に帰って交渉を再開することを願う。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/560985.html 韓国語原文入力:2012/11/16 19:16
訳T.W(1280字)

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