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[社説] 自ら存在理由を否定した機務司

登録:2012-11-01 08:33 修正:2012-11-01 09:32

国語辞典に出ている機務の意味は‘表に出ないよう秘密を守らなければならない重要なこと’だ。 言うならば軍のセキュリティーと防諜を受け持っている部隊の名前を‘国軍機務司令部’と言ったのはとても重要なことが表に出ないようにするという点を強調するためであろう。 ところが最近このような機務司が腐りに腐っている実態が生々しく明らかになり衝撃を与えている。

 一昨日の国防部調査本部の発表を見れば、機務司の中佐と准尉が性売買をして警察に発覚するや民間人2人を身代わりに出して代わりに処罰を受けさせようとした。 より一層驚くべきことはペ・ドゥクシク機務司令官など指揮部がこのような事実の報告を受けても黙認した点だ。 それだけではない。 この部隊に所属するある中佐は4500万ウォン余の公金を横領したが処罰を受けなかった。 また別の中佐は飲酒運転で事故を起こしても職務解任に終わった。 一般社会でおきたとすれば当然厳罰に処したこのような犯罪が、単に彼らが機務司所属という理由で、もっと正確に言えば‘外部に知られれば部隊のイメージが失墜する’という理由でうやむやにされたのだ。

 <ハンギョレ>報道以後、国防部が遅ればせながら捜査を行いこのような事実を確認したが、軽い処罰に終わった。 こういう事実を知っても揉み消した企画管理処長、監察室長、監察課長、300機務部隊長を懲戒依頼したが、実質的に懲戒は国防部でなく機務司で担当するようにした。 一度犯罪を揉み消した部隊に再び懲戒を任せたのだ。 性売買犯罪を‘政務的判断’でもみ消すよう承認したペ司令官には全く刑事責任を問いもしなかった。 国防長官の口頭警告に終わった。 それでも昨日断行された将軍人事でペ司令官が生き残ったので、国防長官の上に機務司令官がいるという言葉が出てきそうだ。

 李明博政府になって機務司の傍若無人、無所不為に対する軍内外の怨念の声がいつにもまして高まった。 李大統領が以前の政府でなくした単独報告を再開するなど、機務司令官に勇気を与えたことと関係がないとは言えない。 2009年の双龍(サンヨン)車集会撮影、昨年の朝鮮大教授のEメール ハッキングのような不法民間人査察事実が発覚しもした。 1990年大々的な民間人査察を暴露したユン・ソクヤン二等兵事件以後、国軍保安司令部から機務司に名前を変えたが、その実態は保安司時期に戻ったと言っても過言ではない。

 ある民間研究所は‘新政府が推進する国家安保政策に対する提言’で、機務司を廃止し、その機能を指揮官の下の参謀機能に統合して軍事業務を一元化させることを提案した。 傾聴すべき主張だと見る。 今のように法の上に君臨する機務司は軍を強化するどころかむしろ弱化させるだけだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/558400.html 韓国語原文入力:2012/10/31 19:09
訳J.S(1247字)

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