朴槿恵セヌリ党大統領候補と周辺の人々は釜日奨学会の創設者である故キム・ジテ氏を何度も殺した。 朴正熙前大統領は強圧で財産を奪い彼の胸に生涯拭えない傷を遺した。 朴候補は彼を「不正腐敗で多くの非難を受けた方」と非難したし、朴候補の側近であるイ・ジョンヒョン公報団長は‘親日派’とまで罵倒した。
キム・ジテ氏は5・16クーデター後、冷酷だった国家再建最高会議時期に手錠をかけられた状態で釜山日報と文化放送、釜日奨学会などの財産を放棄するという覚書に捺印したという。 誰がなんと言おうが朴候補は加害者側であり、キム・ジテ氏と遺族たちは被害者だ。 朴候補が伏して過ちに対する赦しを請うても済まない立場なのに、あろうことか故人を侮辱するとは居直りもここに極まった。 全てのものを別にしても人間としての礼儀ではない。
その中でも圧巻は朴候補の‘口’を自任するイ・ジョンヒョン公報団長の親日派発言だ。 イ団長はキム・ジテ氏が高等学校卒業後、日帝の収奪機構である東洋拓殖会社に入社したこと等を挙げて彼を親日派と規定した。 イ団長に訊ねたい。 それなら‘死で日本に忠誠を尽くす’という血書まで書いて満州軍官学校に入り、日本陸軍士官学校を卒業した後に日本軍将校として服務した‘高木正雄’(朴正熙の日本名)は何と呼べばよいのか。 親日不逆の程度により等級を付けるならば朴前大統領は当然特A級に該当する。 それにも関わらず‘親日派の娘’が財産を強奪された被害者を親日派と追い立てている逆立ちした風景だ。
朴候補側が事実関係も正しくない主張を相次いで前面に出して正修奨学会問題の本質を隠そうとしていることも眉をひそめさせる。 「正修奨学会の前身である5・16奨学会にキム・ジテ氏が献納した金は全体の5.8%に過ぎない」などの主張も数字のマジックを通じた真実隠蔽に過ぎない。 国家情報院過去事委が明らかにした5・16奨学会財産内訳を見ても、キム・ジテ氏の財産は釜山日報・文化放送株式3億4800余万ファンに土地10万147坪であり、キム氏の財産が外部寄付よりはるかに多かった。
イ・ジョンヒョン団長が唐突に盧武鉉前大統領とパク・ヨンチャ氏などを持ち出して 「朴正熙前大統領の場合、政府が公開的に献納を受けた反面、盧前大統領側は私的に金を授受した」と非難したのも典型的な地獄へ道連れ作戦だ。 とんでもない論争を起こして関心を他所に回し、正修奨学会問題の焦点を曇らせる幼稚な術策だ。 だが、朴候補側がこういう汚らしい作戦で正修奨学会問題の罠から抜け出ることができると考えるなら大きな錯覚だ。