原文入力:2012/10/08 19:18(1410字)
ハングルの日はいつのころからか名ばかりの祝い日になり、しかたなく記念行事を行なう日になら下がった。ところが今年は年の初めから特別な注目をあびている。ドラマ<根の深い木>の華やかな人気のためではあるが、圧倒的多数から支持を受けているハングルの日公休日指定運動のおかげも大きかった
ハングル学会と民主労総など市民社会が先頭を切って進め、賛否の論議が多い政府内で文化体育観光部が推進運動の銃隊を組んで簡単に口火がついた。これに民主統合党が5月に19代国会が開会するやいなや関連法案を発議したし、国会文化体育観光放送通信委員会の次元でも共感を得た。問題は担当部署である行政安全部だ。法定公休日が増えるのをありがたがらない企業の顔色をうかがう大統領府と経済部署のために遅れているのだ。
反対理由はハングルの日を法定公休日から除外した1991年とも似ている。当時の総務処は浮ついた社会の雰囲気を正して、連休を減らして輸出不振など業界の困難を打開するという名分を前に打ち出した。日雇い者の就労機会の減少と病院休業による不便なども弁解理由にした。今も自営業者の収益および日雇い労働者の仕事の減少などを当てはめるのは、当時とそっくりだ。産業構造再編などで、根拠が消えた主張だ。かえって公休日の指定が生産性の向上、雇用拡大、内需促進効果を招くという主張のほうが多い。
反対論が見落しているのは他にもある。国家の構成要素が領土、国民、主権であっても、国家アイデンティティ形成の根本は言葉と文字だ。ハングルは日帝の併呑(へいどん)と南北分断下でも民族のアイデンティティを守るはすがいだった。そのようなハングルを無視しながら愛国云々するのは話にならない説だ。近頃、ハングルは李政府の英語重視政策によって2等言語に追いやられているれる状況だ。
ハングルは我々の自慢であるだけでなく人類の文化遺産だ。創製の主体、原理、目的、哲学が明確な世界唯一の言語がハングルだ。発声の構造と綴り方(訳注・文字の形)を符合させて世界のどのような言葉でも表記でき、そのうえ表記されたものを声で再現することができる。このような科学性によって文書の作成、伝送そして音声認識など、デジタル時代に優れた効率性を見せている。その上、人民のために創生した哲学はあらゆる為政者の手本になる。
帝国主義時代に国力によって言語が広がったとすれば、今や国力が文化の力に依存する時代だ。ハングルは世界の人が認める最高のソフトパワーだ。文化で勝負をするなら、直ちにハングル・ルネサンスを進めるべきで、そのための第一歩は公休日指定から始めなければならない。もうこれ以上先送りする理由はない。
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/554825.html 訳T.W