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訪中した韓国外相「北朝鮮問題、中国の役割に対する期待が下がった」

登録:2024-05-15 00:09 修正:2024-05-15 12:37
チョ・テヨル外交部長官が14日、中国北京の駐中大使館で行われた記者懇談会で発言している=北京特派員共同取材団//ハンギョレ新聞社

 「米中戦略競争がはじまっている中、北朝鮮問題に関する中国の役割に対する期待は低下せざるを得ない」

 チョ・テヨル外交部長官は14日午後、北京の駐中韓国大使館で行われた記者懇談会で、「北朝鮮問題に関して中国にどのような役割を期待するか」と問われ、このように答えた。チョ長官は前日、中国の王毅外交部長(外相)兼共産党中央政治局委員と4時間にわたって会談した。会談直後、外交部は「チョ長官は、朝鮮半島の平和・安定と北朝鮮の非核化に向けて安保理常任理事国である中国に建設的な役割を果たすよう要請した」とする資料を発表している。

 これについて、「北朝鮮問題に関して、中国の役割は状況や時期によって異なる。かつては北朝鮮の核問題について(中国との)協調が可能だったが、米中戦略競争が本格化していることで、国連議長声明ひとつ出せない状況となった。東北アジアの地政学的変化がそのまま投影されている」とし、「そのような中でも韓国は中国に役割を期待しており、昨日そのような話をした」と語った。またチョ長官は、北朝鮮の核問題に関してより詳しい説明を求められたが、「敏感な問題だ」として答えなかった。

 チョ長官は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の2年間の対中外交の成果」について問われると、「尹錫悦政権は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に韓中関係が多少正しくない方向に進んだとみており、今はそれを調整する段階だと思う」とし、「この過程で(韓国と中国が)互いに気づいたこともあり、誤解も重なったが、今回の会談で腹を割ってそれらのことをすべて話し合った。これが今回の会談の最大の成果だと思う」と述べた。

 また、「会談後の韓国と中国の発表文には、いずれも合意や同意という表現がない」と問われ、「今回の会談は議題を決めず、幅広く互いの関心事について語り合った。それぞれが言いたいことをすべて言い、違いを発見し、共通点も見出した」と述べた。「両国の間にどのような意見の相違を確認したのか」との質問には、「大きな枠組みでは、韓米同盟と韓中戦略的パートナー関係との間で生じる摩擦があり、狭く見れば韓国の核心利益と中国の核心利益との間にギャップがある。それを隠すことなく、そうせざるを得ない背景、維持する上で直面する困難などについて話した」と述べた。

 実際に会談の冒頭発言と会談結果を伝える発表文を見ると、チョ長官は「民主主義国家として、韓国は明確な原則と基準にもとづいて事案ごと、分野ごとにバランス感覚をもって他国と協力してきている」と述べるなど、民主主義国家としてのアイデンティティーを強調している一方、王外相は「共に保護貿易主義に反対し、国際自由貿易システムを守り、生産・供給網の安定的で円滑な流れを保障すべきだ」と主張している。

 チョ長官はこの日、中国に進出している韓国の企業家たちが直面している問題についても意見を伝えたと明らかにした。チョ長官は「中国では知識財産権についての規制なしにドラマが上映されるケースもあるため、具体的に指摘して(問題点を)伝えた。全般的な投資環境についても意見を交わした」と語った。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1140541.html韓国語原文入力:2024-05-14 17:01
訳D.K

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