11月3日の米国中間選挙が半月後に迫る中、与党共和党が激しい政権審判論に直面し、伝統的な「保守の地盤」までもが民主党の射程圏に入るなど、形勢が揺れている。下院435議席と上院35議席(補欠選挙含む)を新たに選出する今回の選挙で、民主党は下院4議席、上院4議席の純増となれば、上下両院で多数党の地位を奪還することになる。
19日(現地時間)に発表されたロイター通信とイプソスの世論調査で、トランプ大統領の政権運営に対する支持率は31%となり、1期目、2期目を通じて最低水準を記録した。登録有権者に対してどの政党の下院候補を支持するかを尋ねたところ、民主党は47%で、共和党(35%)を12ポイント上回った。18日に公表されたワシントン・ポスト、ABC、イプソスの調査でも、トランプ大統領の支持率は33%にとどまり、民主党候補の支持率は共和党より8ポイント高かった。とりわけ、実際に投票に行く可能性が高いと分類される無党派層の有権者の間では、民主党候補の支持率が56%で、共和党(35%)を21ポイント上回り、差がさらに大きい。
民主党の支持率上昇は、実際の選挙区の情勢からも確認できる。現在の下院議席数は、共和党219議席(共和党と協力する無所属の1議席を含む)、民主党214議席。超党派の選挙分析機関「クック・ポリティカル・リポート」は、46の下院選挙区(民主党がやや優勢12カ所、激戦21カ所、共和党がやや優勢13カ所)を主要激戦区に分類し、民主党優勢地域214カ所、共和党優勢地域200カ所と分析している。先週は、中西部を中心に11の下院選挙区の情勢が民主党に有利へと転じたと見通しを修正している。
2024年の大統領選でトランプ大統領が約13ポイント差で勝利したミネソタ第1選挙区をはじめとして、コロラド第5選挙区、オハイオ第10、15選挙区、ウィスコンシン第1選挙区など、伝統的に共和党が強い地域でも、現職議員が予想以上に激しい防衛戦を繰り広げている。
共和党が議席数の拡大を狙って再編(ゲリマンダリング)してきた選挙区においてすら、同党は予想に反して逆風に見舞われる可能性が指摘されている。テキサス州では、2024年の大統領選で共和党支持が拡大したラテン系の有権者が、物価高と強硬な移民政策への反発の中で再び民主党支持へと変わるかが注目されており、第15、34、35選挙区などが激戦区となっている。フロリダでも、共和党が民主党に不利になるよう再編した第14、25選挙区で、キャシー・キャスター、ジャレッド・モスコウィッツら民主党の現職議員が競争力を維持している。新たな選挙区に2024年の大統領選の結果を当てはめると、トランプ氏がそれぞれ9ポイント差、11ポイント差で勝利していた地域だ。ヒスパニック系住民の割合が74%にのぼるフロリダ第27選挙区選出の共和党のマリア・エルビラ・サラサール議員は、最近のトランプ大統領による強硬な移民取り締まりについて「度を越している」と批判する広告を出し、距離を置く姿勢を示してもいる。
上院でも、民主党は共和党の伝統的な地盤をも脅かしているが、多数党の地位の奪還の可能性は不透明だ。保守の強い代表的地域であるカンザスでは、共和党の現職のロジャー・マーシャル上院議員が民主党のアダム・ハミルトン候補に激しい追い上げを許していることを受け、共和党の主要スーパーPAC(政治資金管理団体)が1160万ドル以上の選挙広告費の支出を実行または予定している。アラスカやアイオワなどの共和党が強い地域も激戦地域とされている。最近、オハイオ、テキサス、ミシガンなどの主要激戦地域で、民主党候補が維持してきた世論調査上の優勢が薄れつつあることが、共和党にとってはわずかな慰めとなっている。