ドナルド・トランプ米大統領は23日(現地時間)、イランに対する「48時間後のエネルギー施設攻撃」という最終通告の時限が残り12時間となったことを受け、イランの発電所とエネルギー施設への攻撃を5日間停止すると表明した。最後通告から36時間後に前言を翻したもの。イラン外務省は、米国とイランの間にいかなる対話もなかったという立場を示した。
トランプ大統領はこの日の朝、自身のソーシャルメディア「トゥルースソーシャル」への投稿で、「米国とイランはこの2日間、中東での敵対行為を完全かつ全面的に解決するために非常に素晴らしく生産的な対話を行ったことを嬉しく思う」と書いた。さらに「深く具体的で建設的な対話の雰囲気を踏まえ、イランの発電所とエネルギーインフラに対するすべての軍事攻撃を5日間延期するよう、戦争省(国防省)に指示した」と明らかにした。だが、攻撃の延期は「現在進行中の会談と議論の成功を条件」として行われ、イランとの対話は今週いっぱい続く予定だと説明した。
一方、イランは対話そのものを否定した。イランの警告を受けて、トランプ大統領は急騰するエネルギー価格を抑えるために一歩退き、時間を稼ぐための「姑息な手」を繰り出したものとみている。イランのファルス通信はイラン当局者の話として、「米国との直接対話も、仲介国を通じた対話もない」とし、「トランプはイランが西アジア(中東)のすべての発電所を攻撃するという情報を聞いてから後退した」と報じた。これは、イランとこの2日間で「生産的な対話」を行ったというトランプ大統領の主張に真っ向から反論したもの。
交渉を巡る米国とイランの発言は食い違っているが、両者が水面下で接触を始めたという報道が出始めた時期は、トランプ大統領がイランと交渉を行ったと明らかにした時期とほぼ同じだ。
これに先立ち、トランプ大統領は22日夜、ソーシャルメディアに「力による平和、遠回しに言えばそうだ!!!」という短い文を投稿した。「イランが48時間以内にホルムズ海峡の封鎖を完全に解除しなければ、イランの発電所を次々と壊滅させる」という前日の脅しに変化がないことを示唆したという見方もあったが、米国が力でイランを対話に引き込もうとしているものとみられる。
同日、イランも自国の発電所に対する米国の攻撃が実際に行われた場合、中東全域の発電所を攻撃すると警告した。さらに、米国が自国の海岸や島を攻撃した場合、ホルムズ海峡を越えて「ペルシャ湾全域に機雷を設置する」方針も示した。