ドナルド・トランプ米大統領は13日(現地時間)、エジプトでイスラエルとイスラム組織ハマス間の第1段階の停戦合意に署名した後、「戦争は終わった」と繰り返し明らかにした。
トランプ大統領はこの日、中東和平をテーマにエジプトのシャルムエルシェイクで開かれた首脳会議に参加した。同大統領は「この重大な突破口はガザ戦争の終息を越え、神の助けによって美しい中東全体の新たな始まりになるだろう」とし、「今この瞬間からわれわれはテロの道を断固として拒否する強く繁栄した地域を共に建設することができる」と述べた。また、「数年間、これは絶対に実現しない交渉だという言葉を聞いてきた。私が大統領選に出馬する前から、中東は最も大きく最も複雑な交渉であり、ひいては第3次世界大戦のような途方もない問題が始まりうる場所だとも言われた。しかし、そのようなことは起こらない」と述べた。
トランプ大統領、エジプトのアブドゥルファタハ・シシ大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアンエ大統領、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アルサーニ国王は、他の首脳が同席したなか、公式に文書に署名した。トランプ大統領は署名する途中に「この地点に来るまで3000年かかった。信じられるか? この和平は続くだろう」とし「今回の合意には多くの規則や規定、そしてその他のさまざまな事項が明確に含まれている」と明らかにした。文書の正確な内容はまだ公開されていない。
今回の文書署名式には、中東や欧州の首脳らが大勢出席した。署名に参加したアラブ・イスラムの指導者だけでなく、英国のキア・スターマー首相、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相、イタリアのジョルジャ・メローニ首相など、欧州の首脳らも出席。トランプ大統領は多数の外国の首脳らの名前を自ら呼びながら感謝の意を表した。
最も目立つ不参加者は、ハマスとイスラエルだった。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はユダヤ教の祝日を理由に出席しなかった。
今回の会議は、トランプ大統領が他の中東の指導者たちにアブラハム協定への参加を勧める機会でもあった。2020年に結ばれたアブラハム協定は、イスラエルとアラブ首長国連邦およびバーレーン間の国交正常化を引き出し、その後、モロッコとスーダンが参加した。トランプ大統領は「われわれはアブラハム協定に参加する多くの国を得ることになるだろう。今現在も多くの国が参加することについて議論している」と述べた。マルコ・ルビオ米国務長官は行事直前に記者団に対し、「今日はこの50年間の世界平和にとって最も重要な日の一つだ。これは誇張ではない」と述べた。これに対しトランプ大統領が「50年だけか」と聞き返し、ルビオ長官は「もしかしたら100年」と答えた。
トランプ大統領の外交特使であるスティーブ・ウィトコフ氏と娘の配偶者であるジャレッド・クシュナー氏は、今後の調整作業で重要な役割を担うことになる。二人はイスラエル、サウジアラビア、カタール、エジプトなどと緊密な関係を維持してきた人物だ。ウィトコフ特使は記者団に対し「私たちはここにかなり長期で滞在するだろう」と述べた。