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フォルドゥより深い地下145メートルにイランの新たな核施設が存在する可能性も

登録:2025-06-24 06:45 修正:2025-06-24 08:17
ナタンズの核施設から南の山の下に
米民間衛星会社のマクサー・テクノロジーズが22日(現地時間)、イランのナタンズの核施設を撮影した写真。写真の中に米軍が落としたバンカーバスター「GBU‐57MOP」が作った跡が見える/EPA・聯合ニュース

 イランが最近完成したと発表した新たな核施設が、米国の空爆を受けた既存の核施設を代替できるかに関心が集まっている。同核施設は、フォルドゥの地下核施設より深いところに作られた可能性もあるとみられている。

 22日(現地時間)、ワシントン・ポストの報道によると、イスラエルが空爆を始める前日の12日、イラン原子力機関のモハマド・エスラミ事務総長は「新たな核施設は完全に建設され、安全で攻撃できない場所にある」と述べた。さらに「遠心分離機の設置が終わり次第、濃縮を始める」と述べた。

 ワシントン・ポストは、問題の新しい施設が数年前から外部に知らされた「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」だと報道した。イランが国際原子力機関(IAEA)にこの施設に対するアクセス権限を与えておらず、同施設が完成したかどうか、遠心分離機が設置されているかどうか、ウラン濃縮準備ができているかどうかも明確に確認されていない。まだ、他国政府や西側の情報機関、IAEAなどが公にエスラミ事務総長の主張を確認したり、新しい核施設の正確な位置を特定したわけではない。現在としては衛星写真の分析を基に施設の位置と規模について推定しているだけだ。

米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)が昨年4月、ナタンズ核施設とコラン・ガズ・ラ山トンネル核施設の位置を説明した資料=ISISとグーグルアースより//ハンギョレ新聞社

 「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」の建設が始まったのは5年前だ。米国の非営利機関である科学国際安全保障研究所(ISIS)の2022年の報告書によると、イランは2020年から、現在のナタンズの核施設から南に2キロメートル離れたコラン・ガズ・ラ山の地下にトンネルを掘って核施設を作り始めた。2020年、米国とイスラエルがサイバー攻撃と爆弾設置でナタンズの核施設内の遠心分離機の組立施設を爆破した直後だ。

 トンネル核施設は深い地下に位置し、攻略が難しかったフォルドゥの地下核施設よりさらに深いところにあるとみられている。同施設が作られたコラン・ガズ・ラ山は海抜1608メートル。フォルドゥの核施設が位置するクエダググイ山(960メートル)の2倍の高さだ。そのため、フォルドゥの核施設と似た角度で掘り下げると、地下110~145メートルに核施設を作ることができるというのがISISの計算だ。フォルドゥの核施設が作られた地下80~90メートルより30~55メートル深いということだ。

米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)が昨年4月、コラン・ガズ・ラ山トンネル核施設の位置を説明した資料=ISISとグーグルアースより//ハンギョレ新聞社

 報告書は「フォルドゥの核施設は深すぎて空中爆撃で破壊することは難しいが、『コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設』はさらに難しいかもしれない」と指摘した。イスラエルは、フォルドゥの地下核施設があまりにも深く、ミサイル打撃や特殊部隊派遣で確実に破壊することが困難であることから、米国の介入を求めてきた。結局、米国は21日、B2ステルス爆撃機6機でバンカーバスターの中で最も強力な「GBU-57 MOP」12発を落とした。それでもイスラエル軍は初期分析の結果、フォルドゥの核施設は深刻な被害を受けたが完全に破壊されたわけではないとみている。

 「コラン・ガズ・ラ山のトンネル核施設」は、米国が21日にイラン核施設を空爆した際には標的にならなかったものとみられる。空爆の翌日、米民間衛星会社のマクサー・テクノロジーズが撮影した衛星写真によると、ナタンズの核施設に落ちたバンカーバスター2発の着弾推定地点は、いずれもナタンズの核施設の敷地内だった。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1204226.html韓国語原文入力: 2025-06-2400:45
訳H.J

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