「2024年パリ五輪に来る人々に言います。来ないでください。キャンセルしてください」
フランスのパリに住む31歳のミランダさんは、自身のTikTokにあげた映像で「私はパリに暮らす市民だ」とし「(五輪期間に)パリを離れるつもりだ。ここにいたくない。私の友達も皆パリを発つ」と述べた。五輪を観覧しにパリに集まってくる潜在的訪問客に「警告」するこの映像は、17日の時点で再生回数が86万回を越えた。米ニューヨーク・タイムズなどは、オンラインを通じてパリ現地の市民らが五輪に反対する動きに注目し、関連内容を報道している。
ミランダさんは、自分が五輪に反対する理由は数百も挙げられるとし、まずはフランス政府に向けた怒りをあらわにした。ミランダさんは、五輪のために街のホームレスの人々がすべて郊外地域に追いやられ、政府が学校の寮を観光客用の宿泊施設として提供しようとしているため、学生たちも部屋から追い出されていると主張。また、オリンピック競技場で働く労働者が病院治療を受けられなかったり給与などをきちんと受け取れていなかったりといった処遇の問題も指摘した。これに加えて、パリの公共交通の問題点を強調しつつ「パリの地下鉄は1600万人を収容する準備ができていない。バス、トラム、地下鉄ともに最悪だが、政府はチケット代を引き上げる」と声を強めた。
ミランダさんは映像で、パリ五輪を見に来ようとする観光客に向かって「警告する」とし、「パリ市民さえもこの都市にいたくない状況に、あなたが来ることを考えてみてほしい。(パリの人々は)あなたに唾を吐き、殴り、暴力を行使するだろう。侮辱するだろう。ぞっとする」と語った。さらに、政府は五輪を宣伝するが、当の市民たちの経済事情は非常に厳しいとし、「私たちはあまりにも不幸だ。インフレがひどすぎる。学生たちは食べ物を買うお金さえない」と話した。
ミランダさんだけでなく、他のパリ市民たちも五輪が「危険」であり「地獄」になるとし、ソーシャルメディアを通じて五輪に反対する映像を作ってアップしている。「レオ・ノラ」というユーザー名の24才の学生が掲載した五輪反対映像の再生回数は、すでに100万回を越えた。