本文に移動

プーチン大統領「誰がテロを命令したのか…ウクライナのネオナチ政権が関与の可能性」

登録:2024-03-27 07:23 修正:2024-03-27 08:35
モスクワでのテロの背後としてウクライナ政権を名指し 
イスラム過激派の犯行と認めるが、ISには言及せず
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が25日、モスクワのクレムリンで「クロカス・シティ・ホール」でのテロに関するビデオ会議を開催している=モスクワ/タス・聯合ニュース

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、22日にモスクワ郊外で発生したテロはイスラム過激派の犯行であると認めながらも、テロを指示した背後にはウクライナがいるという主張を繰り返した。

 プーチン大統領は25日、モスクワのクレムリン(大統領府)で、捜査当局の関係者と「クロカス・シティ・ホール」でのテロに関するビデオ会議を開き、「イスラム世界が数世紀にわたり理念的に戦ってきたイスラム過激派の手によってこの犯罪が行われたと知っている」としたうえで、背後にウクライナがいるという疑いを再び示した。プーチン大統領は「我々はロシアとロシア国民を相手にしたこのテロが、誰の手によって行われたのかを知っている」として、「今は、誰がそれを命令したのかを知りたい」と述べた。

 プーチン大統領はさらに、「誰がそれ(テロ)から利益を得るのかに関心がある」としたうえで、「こうした残忍なテロは、2014年以降、ネオナチのキーウ政権(ウクライナ)と手を握ってロシアを相手に戦っている者たちの一連の試みと関連したものである可能性がある」と述べた。

 英国ガーディアン紙は、プーチン大統領がこの日、イスラム過激派などによるテロ実行を認めながらも、イスラム国(IS)には言及しなかった点を指摘した。ISの分派である「ISホラサン州」が自ら犯行を実行したことを認め、米国情報当局もまた彼らがテロを行ったことを確認したが、プーチン大統領は依然として責任をウクライナ側に回し、2年を超えたウクライナ戦争での攻撃を強化しようとする意図だとみられる。ホワイトハウス国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官はこの日声明を出し、「(テロは)ウクライナとは関係ない。これは単なるクレムリンの宣伝扇動にすぎない」として一線を引いた。

 コンサート会場の銃乱射テロによる死亡者数は、この日までに139人に増えた。ロシアのタス通信は、死亡者のなかには子どもも3人含まれていると報じた。負傷者は182人に達した。

 ロシアの調査委員会は、前日に逮捕したタジキスタン国籍のダレルジョン・ミルゾエフ容疑者などテロ容疑者4人に続き、兄弟であるディロバル・イスロモフとアミンチョン・イスロモフ、2人の父親であるイスロイル・イスロモフを逮捕し、拘束してることを明らかにした。ディロバルとアミンチョン兄弟はロシア国籍だ。

 これに先立ち、逮捕されたテロ実行犯の一部の身元も追加で公開された。シャムシディン・ファリドゥニ容疑者はモスクワ郊外のポドリスクにある工場の労働者で、ムハマド・ソビル・ファイゾフ容疑者はモスクワ北東側で理髪師として働いていたと報じられた。ロイター通信によると、テロ実行犯のうち2人はロシアでの滞在許可を更新するためにトルコに入国し、2日に同じ飛行機で再出国したことが把握されたが、トルコ現地で過激化したわけではないとみられる。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1133849.html韓国語原文入力:2024-03-26 19:25
訳M.S

関連記事