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ロシア、ウクライナを空爆…「モスクワでのテロ関与説」で攻撃の名目作りか

登録:2024-03-26 10:12 修正:2024-03-26 10:23
ロシアの極右派、ウクライナ攻撃強化の扇動に没頭
ロシア軍が大規模な空襲をした24日(現地時間)、ウクライナの首都キーウの空でミサイルが爆発している=キーウ/ロイター・聯合ニュース

 300人以上の死傷者が出たロシア・モスクワのコンサートホールでのテロ後、ロシア軍がウクライナの首都キーウと西部の都市リビウに大規模な空襲を行った。多くの人命被害で窮地に追い込まれたプーチン大統領が、ウクライナへの攻撃で突破口を見出そうとした場合、両国の衝突は最悪へと突き進むという懸念が提起されている。

 ウクライナ空軍は24日(現地時間)、ロシア軍が首都キーウやポーランドの国境近くの都市リビウに29発のミサイルと28機のドローン攻撃を行ったと発表した。ロイター通信などが報じた。空軍はこのうちミサイル18発とドローン25機を撃墜したと説明した。

 リビウのマクシム・コジツキー州知事はソーシャルメディアのテレグラムに「占領軍が夜の間に標的にした主要エネルギー施設が相次いで2回打撃を受けた」と書き込み、この攻撃には撃墜が難しい極超音速ミサイル「キンジャール」が使われたと明らかにした。ウクライナのエネルギー省は、リビウの重要なエネルギー施設内の装備に火災が発生し、電力が遮断されたと明らかにした。エネルギー省とコジツキー州知事が言及した施設が同じ施設なのかは不明だ。

 キーウのセルヒー・ポプコ軍事行政庁長は、ロシアの攻撃によりキーウでも数カ所で爆発が起きたと明らかにした。ただし今回の攻撃で大きな被害は発生しなかったと補足した。一部の住民らは空襲が起きるとキーウ中央地下鉄駅舎に避難し、ある公園ではロシアの巡航ミサイルKh-55の残骸が発見されたとロイターが伝えた。

 この日のロシアのウクライナ攻撃の過程で、ロシア軍の巡航ミサイルがポーランド領空を侵犯した。ポーランド軍が明らかにした。軍はソーシャルメディアのXを通じて「この物体は(ポーランド東部のルブリン州)オセルドフ近くの領空に侵入し39秒間飛行した」と説明した。

 これに先立ち、ウクライナ軍はロシア黒海艦隊が駐留しているクリミア半島のセバストポリに攻撃を加え、2隻のロシア戦艦を打撃したと主張した。軍は同日の声明で「ウクライナ防衛軍が大型揚陸艦艇の『アゾフ』と『ヤマル』を破壊し、通信センターといくつかのインフラを攻撃した」と明らかにした。セバストポリ州政府は、ロシア軍が10発以上のミサイルを撃墜したと主張した。

 ロシアが22日にモスクワ近隣の「クロカス・シティ・ホール」で起きたテロについて、ウクライナが背後にいるという説を示した後から両国の空襲攻防が続き、両軍の衝突が激化する懸念が強まっている。

 AP通信は、プーチン大統領がこれまで築いてきた「強靭な指導者」というイメージを損なったとし、プーチン大統領が今回のテロをウクライナの仕業だと直接非難した場合、これをウクライナに対するより強力な攻撃の理由として利用しうると指摘した。プーチン大統領は前日の国民向け演説で、テロ犯がウクライナ側に脱出しようとしたと述べ、ウクライナ関与説をほのめかしたが、ウクライナを直接非難することはなかった。

 イスラム・スンニ派の過激派武装勢力である「イスラム国(IS)」が自らテロ攻撃をしたと明らかにしたにもかかわらず、ロシア内の過激派は反ウクライナ世論の扇動に没頭している。過激民族主義放送「ツァーグラードTV」の所有者コンスタンチン・マロフェエフ氏は、ロシア政府に向けて、ウクライナ主要都市への総攻撃を宣言し48時間の避難時限を通知することを主張した。極右の哲学者のアレクサンドル・ドゥーギン氏も、キーウなどを「解放」するための総動員令を求めた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1133679.html韓国語原文入力:2024-03-25 20:10
訳C.M

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