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国際刑事裁判所、「民間人攻撃」でロシア軍司令官2人に逮捕状

登録:2024-03-07 06:34 修正:2024-03-07 07:31
ロシア海軍黒海艦隊司令官のビクトル・ニコラエビッチ・ソコロフ海軍大将が2022年9月27日に動員解除された予備軍の歓送式行事で敬礼している=クリミア半島のセバストポリ/ロイター・聯合ニュース

 国際刑事裁判所(ICC)が5日(現地時間)、ウクライナ戦争犯罪の疑いでロシア軍司令官2人に逮捕状を発行した。

 ICCは声明を出し「ロシア空軍指揮官であるセルゲイ・イワノビッチ・コビラシュ中将とビクトル・ニコラエビッチ・ソコロフ海軍大将に対する逮捕状を発行した」と発表した。2人は「少なくとも2022年10月10日から2023年3月9日までウクライナの電力インフラに対するミサイル攻撃に責任がある」とICCは説明した。当時、コビラシュ中将はロシア航空宇宙軍の長距離飛行部隊司令官であり、ソコロフ大将はロシア海軍の黒海艦隊司令官だった。

 ICCがウクライナ戦争犯罪と関連して逮捕状を発行したのは2回目。ICCは昨年3月、占領地ウクライナの子どもたちを違法にロシアに連れて行った疑いで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と児童権利担当責任者のマリア・リボバ・ベロバ氏に逮捕状を発行した。

 今回逮捕状が発行された2人の司令官には、ロシア軍が過度に民間人と民間施設を攻撃するよう指揮した疑いが持たれている。これは「国際刑事裁判所に関するローマ規定」で戦争犯罪として規定されている。ICCはこれらの民間目標物が軍事作戦の対象になりうるとしても、「予想される民間人被害の方が予想される軍事的利益よりも大きすぎることが明白だ」と指摘した。また「国家政策により」ウクライナ人を対象に様々な人道に対する罪を犯した疑惑もあると明らかにした。

 コビラシュ中将は今も航空宇宙軍で指揮官を務めているが、ソコロフ大将は先月、ウクライナ軍の攻撃でロシア海軍が被害を受けた後、黒海艦隊司令官から解任されたという。

 ICCの逮捕状発行は実質的な効果より象徴的な意味が大きい。ロシアは米国、中国と同様にICCの管轄権を認めていない。しかし、彼らが「国際刑事裁判所に関するローマ規定」に署名した国に行った場合は逮捕される可能性がある。プーチン大統領は昨年、ICCの逮捕状発行から数カ月後に南アフリカ共和国で開かれたBRICS首脳会議への出席を見送った。

 今回の逮捕状発行について、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアに「ウクライナの民間人と民間施設攻撃を命令したロシア軍指揮官は皆、正義が生きていることを思い知らされるべきだ」として歓迎の意を表した。

 ICCは国連傘下の機関である国際司法裁判所(ICJ)とは異なり、1998年7月にローマで開かれた国連全権外交使節会議で「国際刑事裁判所に関するローマ規定」が採択されたことを機に設立された。ICJが国家間紛争を扱う一方、ICCは個人の人道に対する犯罪、戦争犯罪、大量虐殺犯罪を扱う。

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1131093.html韓国語原文入力:2024-03-06 12:23
訳H.J

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