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「プーチン逮捕は宣戦布告」…南アフリカ共和国、BRICS会議で免責を推進

登録:2023-07-20 02:49 修正:2023-07-20 07:27
国際刑事裁判所の逮捕状が発行された状態
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と南アフリカのシリル・ラマポ―ザ大統領が6月17日、サンクトペテルブルクで開かれたアフリカ指導者たちとの会議で握手している/AFP・聯合ニュース

 南アフリカは、来月主催する新興5カ国(BRICS)首脳会議の際に国際刑事裁判所(ICC)逮捕状が出されているロシアのウラジーミル・プーチン大統領を逮捕すれば、「宣戦布告」を意味するとして、代案を模索していると明らかにした。

 南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領はこのように主張し、ICCに免責許可を求めた。ロイター通信などが18日付で報じた。ラマポーザ大統領は、この問題に関して自国の裁判所で起こされた訴訟に対し、先月27日に提出した意見書で、このような考えを示した。同国の野党「民主同盟」は、プーチン大統領がBRICS首脳会議に出席すれば逮捕すべきだとして、自国の裁判所に提訴した。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの主要新興国の集まりで、2009年から首脳会議を開催している。

 ICCは今年3月17日、プーチン大統領がウクライナを侵攻後にウクライナの子どもたちをロシアに不法移住させたとして、戦争犯罪の疑いを適用し逮捕状を発行した。米国とロシアはICCの加盟国ではないが、南アフリカは加盟国だ。このため、来月22~24日に開かれるBRICS首脳会議を主催する南アフリカ共和国には、プーチン大統領が同会議に出席するために自国を訪問した場合、原則として逮捕しなければならない義務がある。

 ラマポーザ大統領は意見書で、「ICC規約第97条に基づき、プーチン大統領を逮捕しない手続きを進めている」と明らかにした。同条項は、加盟国に逮捕を妨害する問題があれば執行しないよう要請できると定めている。ラマポーザ大統領は「南アフリカにはプーチン大統領を逮捕し、(身柄をICCに)引き渡すべきという要請を実行するのに明らかな問題がある」とし、「ロシアは自分たちの現職大統領を逮捕すれば宣戦布告になるという立場を表明している」と指摘した。

 ロシア国家安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は3月、ICCがプーチン大統領に対する逮捕状を発行したことを受け、プーチン大統領を逮捕しようとするいかなる試みも宣戦布告に当たると主張した。

 南アフリカは、プーチン大統領問題にかかわらずBRICS首脳会議は予定通り進められると重ねて明らかにしているが、会議がICCの加盟国ではない中国へと場所を移して行われる可能性もあるものとみられている。

 南アフリカは2015年にヨハネスブルグで主催したアフリカ連盟(AU)首脳会議でも、逮捕状が発行されたスーダンのオマール・アルバシール大統領(当時)を逮捕しなかった。南アフリカ共和国は当時、ICCの脱退をちらつかせた。

 プーチン大統領に対する逮捕状の執行は、当初から実現可能性は極めて低かったが、国際社会と関係国には大きな負担を与える事案だ。特に南アフリカは、ウクライナ戦争以後中立を標榜したが、ロシアとの関係を拡大しインド洋沿岸で合同軍事演習まで行った。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1100817.html韓国語原文入力:2023-07-19 13:39
訳H.J

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