イスラエル軍がガザ地区北部の難民キャンプを空爆し、数十人が死亡したのをはじめ、死傷者数百人が発生した。ガザ地区のパレスチナ保健省が明らかにした。
ガザ地区保健省は31日、イスラエル軍がガザ市の北側にあるジャバリア難民キャンプに数発の爆弾を投下し、50人が死亡、150人が負傷したとし、時間が経てば死傷者数がさらに増えるものとみられると発表した。外国メディアは、現地の医療スタッフによると死亡者は100人を超えると報じた。
現場写真を通じて、建物が倒壊し複数の大きな爆弾による穴が確認され、現地の人々の証言のとおり今回の攻撃で大規模な死傷者が発生したものと推定される。現場ではパレスチナ人が建物の残骸をさぐり生存者の捜索に取り組んだ。
難民キャンプの居住者のモハンマド・イブラヒムさんは、「パンを買おうと並んでいたが、何の警告もなくミサイル7、8発が落ちた」とCNNに語った。爆音を聞いて家族の安全を確認するために駆けつけたモハンマド・アル・アサドさんは「灰色のほこりが舞うなかで、子どもたちが負傷した他の子どもたちを移し、人々ががれきにぶら下がっている姿を見た」とし、「血を流し、火に焼かれた人たちもいた」と証言した。
イスラエル軍は攻撃の主体であることを認めた。イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は、標的としたイスラム武装組織ハマスの上級指揮官イブラヒム・ビアリ氏を殺害することに成功し、他の「多くのテロリスト」も除去したと明らかにした。
同報道官は、ビアリ氏が隠れていた建物を攻撃したが「施設が非常に多く、他のものも崩れた」と説明した。イスラエル軍は、ビアリ氏が1400人死亡した7日のイスラエルへの攻撃に責任がある人物だと明らかにした。
ガザ地区北部で地上作戦にも突入したイスラエル軍の今回の空爆は、難民が数多く集まっている難民キャンプを狙ったという点で、国際的な批判世論をさらに刺激するものとみられる。ハマスは難民キャンプに上級指揮官がいたというイスラエルの主張を否定し、今回の攻撃は「難民キャンプの民間人、子ども、女性に対する悪辣な犯罪」だと述べた。エジプト政府は「民間人居住地域に対する非人道的な攻撃」だと非難した。