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「訪韓カード」ちらつかせた習近平主席…韓中関係管理に乗り出すか

登録:2023-09-26 06:50 修正:2023-09-26 07:54
第19回アジア大会開幕式に出席するため、中国を訪問したハン・ドクス首相が23日午後(現地時間)、中国浙江省杭州西湖国賓館で、習近平中国国家主席と記念撮影を行っている=首相室提供//ハンギョレ新聞社

 5月末、韓国にいわゆる「4大不可」方針を通知するなど、強硬な態度を示した中国が、習近平国家主席の「訪韓カード」までちらつかせ、韓国に配慮する姿を見せている。韓国が米国・日本に傾倒しないよう、韓中関係の管理に乗り出したものとみられる。

 習主席は23日、杭州アジア大会を機に行われたハン・ドクス首相との会談で、2014年以来行われていない習主席の「訪韓」問題や、2030年世界博覧会(エキスポ)の釜山開催について、「真剣に検討する」と述べたという。また、韓国が積極的に進めている韓中日首脳会議についても、「適切な時期の開催を歓迎する」との意向を示した。

 このような雰囲気は、習主席が昨年11月、インドネシアのバリで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と会談した時に見せた渋い反応とは全く異なる。韓中関係はその後も、尹大統領が4月末の米国への国賓訪問に先立ちロイター通信と行ったインタビューで、中台関係を南北問題に例えるなど、韓中関係の基礎となる「一つの中国」を無視するような発言をし、さらに悪化した。それを受け、中国は今年5月、外務省アジア担当局長を送り、韓国が中国の「核心利益」に触れ今のように親米・親日一辺倒の外交政策に進めた場合、両国の協力は不可能だという「4大不可」方針を伝えた。この時、今の状況では習主席の訪韓は難しいという意思も明らかにした。

 中国の政策基調が変わったのは、8月に行われた米国のキャンプデービッド首脳会談で、韓米日首脳が3カ国間軍事協力を強化することで合意してからだ。米国に「全賭け」の外交政策を展開する尹錫悦政権にこれ以上圧力を加えるのは中国の利益にならないとみて、方針を転換したものとみられる。さらに福島第一原発の汚染水放出で日本との関係が悪化した状況で、韓国と軋轢(あつれき)を深めるのは賢明ではないとの判断も働いたようだ。

 もう少し視野を広げてみると、中国は米国の強硬な対中封鎖が続く中、全方位外交を通じて外交・経済的な活動範囲を広げている。習主席は22日にはシリアの虐殺者、バッシャール・アル・アサド大統領とも会談し、両国関係を「戦略的パートナー」に格上げした。

 しかし、習主席が好意的な態度ばかりを示しているわけではない。ハン首相との会談後に中国外務省が発表した資料によると、習主席は「韓国が中韓関係を重視し発展させることを、政策と行動に反映するよう望んでいる」と指摘するのを忘れなかった。同資料には習主席の訪韓と関連した言及も含まれていない。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1109997.html韓国語原文入力:2023-09-26 02:30
訳H.J

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