「皆さん、こんにちは。ロイド・オースティン長官と私は、我々の仲間である林芳正外相および浜田靖一防衛相と、非常に生産的で幅広い対話を今終えました。米日同盟は非常に重要であり、70年以上にわたりインド太平洋地域の平和と安定の礎石となってきました」
11日午後6時6分から40分間ほど行われた米日外交・国防長官会談(2プラス2)を終えた後、閣僚らは速い足取りで米国務省の記者会見場であるベンジャミン・フランクリンルームに向かった。アントニー・ブリンケン米国務長官は軽い微笑を浮かべ、米日同盟の重要性を強調した後、日本が先月16日に公開した国家安全保障戦略など3文書の改定を歓迎し、「2027年までに防衛予算を2倍に増やすという日本の誓約に拍手を送る」と述べた。
続いてブリンケン長官が間髪を入れず言及したのは「中国の脅威」だった。ブリンケン長官は「中華人民共和国(PRC)は、我々と我々の同盟国・パートナー国が直面している共通の戦略的挑戦(strategic challenge)だという点で意見が一致した」と強調した。その後を継いだオースティン米国防長官は「今回の会合で、我々は『反撃能力』(敵基地攻撃能力)を確保するという日本の決定を強く支持する」とし、「この能力を使う上で両国が密接に調整することが米日同盟を強化するものだと断言する」と述べた。
第2次世界大戦以降、米国は米日同盟の役割分担について、“外部の敵”に向け米国は攻撃(矛)を担当し、日本は防衛(盾)に専念するという基本方針を維持してきた。だが、2010年代に入り東シナ海や南シナ海などで中国の軍事的脅威が高まると、2015年4日に日本は集団的自衛権を行使できるようにし、「日本の盾」が及ぼす範囲を米軍にまで拡張した。それに続き、米国はこの日、ついに日本が反撃能力という名の「攻撃能力」を持つことを認め、その力で中国の軍事的挑戦に対抗するという意向を明確にした。このような米国の要請に、林芳正外相は「中国はかつてない最大の戦略的挑戦」だとしたうえで、「自らの利益のために国際秩序を作り変えることを目指す中国の外交政策に基づく行動は、同盟及び国際社会全体にとっての深刻な懸念」だと述べて応じた。
この日の会談を通して中国に対する「戦略的認識」を共有した両国は、米日同盟の抑制力と対処力を拡大するために、安全保障について全方向的な分野で協力を強化していく予定だ。具体的には、日本が敵基地攻撃能力を通じて北朝鮮と中国を直接攻撃するために米国の情報提供が必須だ。日本経済新聞は「(日本が)反撃能力を行使する際は自衛隊と米軍が敵の軍事目標の位置情報を共有する」とし、「日米でミサイル探知から反撃まで連携する共同対処計画の策定を始める」と報じた。日本は反撃能力確保のために、射程距離が1250キロメートル以上となる米国の巡航ミサイル「トマホーク」を導入し、自衛隊が運用中の「12式地対艦誘導弾」の射程距離を1000キロメートル以上になるよう改良し、実戦配備する予定だ。
また両国は、米日安保条約の適用範囲に宇宙を含める▽サイバー上の脅威に対する協力強化▽平時から台湾に近い日本の南西諸島の基地・港湾・空港の共同使用の拡大▽沖縄県駐留の米海兵隊の『海兵沿岸連隊』(MLR)への改編(2025年まで)などにも合意した。日本は自主的に陸海空自衛隊の部隊運用を担当する「常設の統合司令部」を設置し、米軍との意思疎通を強化する。
米日同盟が中国に対抗する軍事同盟という性格を露骨化するにつれ、米日から軍事協力を深めるよう要求されている韓国の戦略的位置づけは、ますます狭まることになった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、先月28日に公開した「自由・平和・繁栄のインド太平洋戦略」で、中国を「戦略的挑戦」とみなす米国や日本とは異なり、「地域の繁栄と平和を達成するにあたって重要な協力国」と規定した。