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ロシア、ポーランド・ブルガリアへのガス供給中止…代案模索する欧州

登録:2022-04-28 06:44 修正:2022-04-28 07:07
27日からガス供給中止を通告 
ポーランドなど、ルーブル支払いを拒否 
欧州、ガス輸入の40%ロシアに依存 
ノルウェー、米国、カタールが代替輸入先として浮上 
国際的な供給不足で十分な量の確保は困難
ポーランドやドイツなどにロシア産ガスを供給するヤマル・欧州パイプライン。ベラルーシの首都ミンスクから南西に130キロメートル離れたニャスビジュ近郊にあるこのパイプラインの圧縮施設で、管理者が点検を行っている/AP・聯合ニュース

 ロシアがポーランドとブルガリアへのガス供給を中止すると通告し、ガスを武器としたロシアの欧州に対する報復措置が可視化した。欧州はガス輸入全体の約40%をロシアから供給されており、ロシアのガス供給中止が拡大した場合、深刻なエネルギー危機に直面する恐れがある。

 ロシアのガス会社のガスプロムは27日、ブルガリアとポーランドがガス代金をロシア通貨のルーブルで決済しなかったため、同日からガス供給を中止すると発表した。ガスプロムは今回の措置が、先月31日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「非友好国」の購入者はロシア産ガス購入代金をドルやユーロの代わりにルーブルで決済せよとした大統領令に従った措置だと明らかにした。ロシアはウクライナ侵攻後、自国に対する制裁に参加した国を「非友好国」に指定した。ガスプロムはブルガリアとポーランドに対するガス供給中止はルーブルで決済代金を支払うまで続くと付け加えた。

 ロシアがルーブル決済を要求する理由は、西側諸国の経済制裁で一時暴落したルーブルの価値を守るためとみられる。欧州でのロシアのガス販売代金は、60%がユーロで、残りはドルで決済される。欧州諸国はルーブル決済要求が契約条件違反だとして、拒否してきた。

 ポーランドはロシアのウクライナ侵攻を最も強く批判し、ウクライナ支援にも積極的に取り組んできた。米国など西側諸国がウクライナに兵器を提供するルートでもある。ロシアと親密だったブルガリアは昨年11月、新しい自由主義的政府が発足して以来、ロシアとの関係を縮小してきた。ブルガリアはロシアに対する制裁を支持し、ウクライナに対する人道支援に参加してきた。

 ポーランドは年間約90億立方メートルのガスをロシアから輸入し、これはポーランドのガス需要の45%に当たる。ポーランドのマテウシュ・モラビエツキ首相は、「ポーランドのガス貯蔵量は76%に達しており、ガス供給先の多様化に向けて準備してきた」と述べた。ブルガリアは消費ガスの90%をロシア産に依存している。

 欧州の主要国は昨年以降、ロシア産ガスへの依存度を徐々に減らしてきており、欧州連合(EU)は今年末までにロシアからのガス輸入量を3分の2程度減らすことにした。しかし、ロシアのウクライナ侵攻前から国際ガス価格が急騰し、供給も不足している状況であり、代替輸入先の確保が容易ではない。

 EU統計庁によると、2020年基準でロシア以外の国のうち、EUにガスを多く輸出した国はノルウェー(全体導入物量の16.4%)やアルジェリア(7.7%)、カタール(6.8%)、米国(6.5%)、ナイジェリア(4.8%)などだ。このため、当面はこれらの国からガス輸入を増やすことが最も有力な対策として挙げられる。

 欧州最大の経済大国であるドイツの場合、ノルウェーやオランダ、英国、デンマークなどからガスパイプラインを通じて追加のガス供給を受けることが有力視されていると、ロイター通信が報じた。米国も今年150億立方メートルの液化天然ガス(LNG)をEUに供給する計画だ。これは昨年EUがロシアから輸入したガス規模(1550億立方メートル)の10%に当たる。

 昨年、EUに770億立方メートルの液化天然ガスを供給したカタールも重要な代案として浮上しているが、短期的にはアジアへの輸出を減らさない限り、欧州への輸出を拡大するのは難しい。EUは米国やカタールなどの供給拡大を通じて追加で確保できるガスが今年600億立方メートルになると予想している。これは昨年のロシア産ガス供給規模の38%水準だ。さらに風力や太陽熱発電の拡大を通じて、年末までに200億立方メートル規模のガス需要に代えるものと予想される。

チョン・ウィギル、シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1040647.html韓国語原文入力:2022-04-28 02:34
訳H.J

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