ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が最近、米国のジョー・バイデン大統領に対し、ロシアをテロ支援国家に指定するよう要請したという報道が出た。
ワシントン・ポストは15日(現地時間)、電話会談の内容について詳しい関係者らの話としてこのように報道し、バイデン大統領は特定の措置について言及しなかったと報じた。しかし同関係者らは、バイデン大統領がロシアに対する圧力を強化する様々な措置を検討しているという立場を明らかにしたと述べた。
テロ支援国家は、米国務省が「国際テロリズム行為を繰り返し支援する国家」を選別して指定するもの。現在は北朝鮮やキューバ、イラン、シリアの4カ国がテロ支援国家に指定されている。米国務省が報告書を通じて毎年指定するかたちで、北朝鮮は1988年に初めて指定され、2008年に解除されたが、2017年に再び指定された。
テロ支援国家指定は、ロシアに対して米国が使用できる重要なカードとされる。米国は冷戦時代にもロシアの前身である旧ソ連をテロ支援国家に指定しなかった。テロ支援国家に指定されれば、米国内の資産凍結、世界銀行や国際通貨基金(IMF)の借款使用に対する米国の拒否権行使追求、軍事転用できる商品の広範囲な輸出禁止、テロ支援国家と取引する国に対する経済的不利益賦課など、様々な制裁が伴う。
米国務省でテロ支援国家の指定業務を担当したジェイソン・ブラザキス氏は先月、「ロサンゼルス・タイムズ」への寄稿で、「ロシアをテロ支援国家に追加するのは、経済的『核オプション』の行使」だと述べた。米国はテロ支援国家に指定すれば、自国との深刻な関係悪化につながり、相手国によって自国の利益が侵害される恐れがあるため、利害関係がある程度存在する国には慎重な態度を示してきた。
しかし、米共和党の強硬派議員らは、ロシアをテロ支援国家に指定するよう要求している。アントニー・ブリンケン国務長官は先月、これに関する質問に対し「すべてを検討しており、今後も検討する」と原則的に答えた。ワシントン・ポストは、ウクライナとシリアの民間人虐殺、第3国に滞在している反体制人物の暗殺計画、ウクライナ東部の親ロ勢力への支援事例からみて、ロシアはテロ支援国家の指定条件を満たしていると指摘した。