中国官営メディアが、日本の福島など近隣5県で生産された食品に対する禁輸措置を解除した台湾当局を強く糾弾した。台湾の国民党も蔡英文政権を「投票で追い出そう」と呼び掛けるなど、この問題を政治争点化することを予告した。
中国官営の「環球時報」は9日の社説で「台湾で『核食』(放射能汚染された食品)と呼ばれ、10年以上輸入が禁止された福島近隣地域で生産された食品が、近いうちに台湾人の食卓に上ることになった」とし、「成長促進剤(ラクトパミン)含有の米国産豚肉輸入を認めたのに続き、政権与党の民進党が再び台湾の民意を裏切った事例」だと主張した。台湾政府は前日、記者会見を開き、2011年3月26日以降維持してきた福島など5県で生産された食品に対する輸入禁止措置を解除すると発表した。
「環球時報」は「禁輸措置解除の決定は食品安全基準とは全く関係なく、民進党当局と日本の政治的妥協のためのカードにすぎない」とし、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の加盟に役立つと判断したようだが、加盟のためには加盟国全体の同意が必要であるため、実効性はあまりないだろう」と指摘した。さらに同紙は「台湾当局はますます政治的利害得失だけを考え、米国と日本の考えに傾倒している」とし、「政治的な賭けに目がくらみ、台湾人の健康と安全を犠牲にしようとする台湾当局の行動は非難されて当然だ」と非難した。
台湾の最大野党の国民党も前日の記者会見で、「福島近隣の食品輸入禁止措置の維持は(2018年11月)国民投票で決定された事案で、民進党政権には国民投票の結果を無視する権限がない」と批判したと、「台湾中央通信」(CNA)が報じた。台湾では今年11月に統一地方選挙が予定されている。