米国政府は、ロシアの侵攻の可能性を理由にウクライナ駐在大使館職員の家族に避難命令を下した。また、ウクライナを旅行禁止対象国に指定して自国民全体に対して避難勧告を行い、危機意識がいっそう高まっている。
米国務省は23日に発表した「旅行勧告」を通じて、ウクライナの首都キエフにある米国大使館職員の家族に出国を指示した。米政府が直接雇用した人々は自発的な選択によって出国できるとし、非必須人員の避難方針も明らかにした。国務省は「ロシアの軍事行動による脅威の継続」を今回の勧告の理由として提示した。
国務省はまた、「ウクライナに滞在している米国市民は、商業用または個人的に利用可能な運送手段を利用して直ちに出発することを考慮すべきだ」と勧告した。このような措置は「特にウクライナの(ロシア側の)国境、ロシアが占有するクリミア半島、ロシアが統制するウクライナ東部の治安状況が予測不可能で、状況が予告なくさらに悪化する可能性があるため」と説明した。
米政府はこれと共に、ウクライナとロシアを旅行禁止対象国に指定した。国務省はウクライナを「ロシアによる強まる脅威と新型コロナウイルス」を理由に旅行禁止対象に指定した。従来の「旅行再考」の対象から、最も厳格なレベルの旅行制限対象に変更したのだ。ロシアに対する「旅行勧告」も禁止の対象に変え、「ウクライナ国境地帯の緊張状況、米国市民に対する嫌がらせの可能性、新型コロナの状況による入国制限」を理由に挙げた。これとともに「ロシア政府の治安公務員の嫌がらせと現地の法律の恣意的適用」に言及し、ロシア政府に対する強い不信を表現した。
米国務省の高官らは、ウクライナ駐在米国大使館は業務を継続し、今回の勧告はウクライナに対する米国の支援縮小を意味するものではないと説明したと、AP通信が伝えた。これに先立ち、ロシアの侵攻で脅かされているウクライナ政府が、米国の自国民撤退に難色を示したという報道もあった。