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80歳以上の新入社員も採用…日本で「定年廃止」相次ぐ

登録:2021-10-15 05:34 修正:2021-10-15 07:10
家電量販大手のノジマ、年齢制限廃止へ 
日本政府、今年4月から70歳まで雇用機会保障に向けた努力を義務化 
「シニア雇用」、時代の課題に
少子高齢化が進む中、定年を廃止して働く意思のある高年齢社員を積極的に活用する日本企業が増えている=福岡/キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 日本の家電量販大手のノジマは、今月から80歳までとした雇用の年齢制限を完全に廃止した。健康に問題がなければ、何歳まででも働けるようにしたのだ。職種に関係なく、本社や店舗の正社員約3千人が対象だ。新規採用の際も、80歳以上の人も採用できるようにした。1日5時間、週4日売場で働けば、給料は約12万円程度だ。

 ノジマは「シニア雇用」の先導企業だ。昨年7月、65歳の定年後、80歳まで1年単位で契約を延長する方式で定年を延長した。だが、現場で80歳を超えても働き続けたいという要望があり、今回改善に乗り出した。ノジマはメーカーが派遣する社員に頼らず、店舗を直接運営する企業として有名だ。豊富な商品知識や常連客が多いシニア社員たちは貴重な人的資産だ。人手不足も影響した。今春、870人を新規採用する計画だったが、約700人の採用にとどまった。

 日本経済新聞は14日付で、日本の少子高齢化が深刻化し、ノジマのように定年を廃止して働く意欲のある高齢社員を積極的に活用する企業が増えていると報じた。

 ファスナー製造の世界最大手のYKKグループも今年4月、65歳だった定年を廃止した。人件費が増える可能性はあるが、熟練労働者を確保するメリットがより大きいとみている。4万4000人の正社員のうち800人が5年以内に65歳になるが、彼らを引き続き雇用する計画だ。システム開発会社のサイオスグループも昨年10月、定年を廃止しており、三菱ケミカルも廃止を検討している。定年を延長する企業も増えている。産業機械メーカーのクボタは、来年4月から正社員の定年を60歳から65歳に延長することにした。

 厚生労働省の資料によると、昨年6月時点で70歳以上の高齢者も働ける制度を準備している企業は31.5%だった。調査を始めた2007年以来、最も高い数値だ。企業が定年廃止など高齢者を積極的に雇用するには、政府の制度改善が役割を果たしたものとみられる。2013年に労働者が希望すれば65歳まで雇用できるよう法律を改正したのに続き、今年4月には企業が労働者の就業機会を70歳まで保障するよう努力することを義務付けた改正「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が施行された。

 シニア雇用が時代の課題となったことも影響した。4月現在、日本で65歳以上の高齢者の割合は29.1%だ。2060年になると、この割合は40%に上がる。高齢者労働力の活用はもはや選択ではなく、生存の問題になったのだ。中央大学の資料によると、少子高齢化の影響で2030年には労働需要が供給を644万人上回ることが分かった。人手不足が予想される中、女性や外国人、高齢者への雇用拡大が求められている。

 しかし、賃金体系など解決すべき課題も多い。 同紙は「賃金の年功色が強い日本では、正社員としての雇用期間が延びれば人件費の負担は増す」と指摘した。賃金が下がれば、高齢者の意欲喪失や生産性低下などの影響が生じかねない。同紙は「能力のあるシニアを公平に処遇する人事制度の構築や、シニアの経験を生かせる人材配置が求められている」と強調した。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1015171.html韓国語原文入力:2021-10-150 2:31
訳H.J

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