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日本の次期首相に「慰安婦合意」の岸田氏当選…韓日関係の冷え込み続く見通し

登録:2021-09-30 08:04 修正:2021-09-30 12:26
派閥の強い国会議員票が勝敗を分け 
安倍前首相が支持した高市氏の票が岸田氏へ 
歴史問題強硬、韓日関係の改善は容易でない見通し
岸田文雄前政調会長が、29日に行われた自民党総裁選で河野太郎行政改革担当相を抑えて勝利した。岸田新総裁は10月4日に開かれる臨時国会で日本の第100代首相に就任する=ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 事実上日本の第100代首相を選ぶ自民党総裁選で、岸田文雄前政調会長(64)が勝利した。

 自民党の野田毅選挙管理委員長は、29日午後に行われた総裁選の決選投票の結果、岸田前政調会長が全428票の過半数を超える257票を得て当選したと発表した。河野太郎行政改革担当相は170票にとどまり、苦杯を喫した。

 これに先立って行われた1回目の投票では、岸田氏が256票、河野氏が255票、高市早苗元総務相が188票、野田聖子党幹事長代行が34票を得た。過半数(382票)を超える候補者がいなかったため、1・2位の岸田氏と河野氏による決選投票となり、岸田氏が勝利した。

 決選投票では予想通り国会議員票が勝敗を分けた。1回目の投票で高市氏を支持した細田派など自民党の保守主流議員らの票が岸田氏に集中し、勝負が分かれた。一般世論よりも党内派閥間の力学関係と安倍前首相の力が強く作用したわけだ。河野氏は、各種世論調査では40~50%の支持を得るなど1位をキープしていた。しかし、国会議員らの「党の票」が選んだのは「改革」を掲げた河野氏ではなく、「安倍路線」を事実上継承するという考えを明らかにしてきた岸田氏だった。

 したがって、壁に突き当たっている韓日関係は、当分は回復のきっかけをつかむのが容易ではなさそうだ。岸田新総裁は第2次安倍政権時代の2012年12月から2017年8月まで、約4年7カ月のあいだ外務大臣を務め、2015年12月28日には「韓日『慰安婦』合意」を発表した。岸田新総裁は選挙期間中、韓日関係改善のためには韓国が日本の納得できる解決策を提示しなければならないとし、「ボールは韓国側にある」と述べ続けてきた。

 岸田新総裁は今後「安倍路線」を大きな枠組で継承し、部分的に変化を試みるものと予想される。例えば、安倍前首相が積極的に推進した憲法改正について、岸田新総裁は「任期中に目標は立てたい」としつつも、「国会で議論がほとんど行われていない」と述べた。時期尚早と考えているという意味に読み取れる。経済政策であるアベノミクスについても「分配も考えなければならない。新しい観点が必要だ」と強調した。

 岸田新総裁は組閣した直後に衆議院選挙の責任を負わなければならない。衆議院は来月21日任期が満了し、11月中に選挙が行われる。この選挙でどれだけ議席を守ることができるかがカギとなる見通しだ。衆議院465議席のうち、自民党は現在275議席(59%)を占めている。このうち半分近くの126人(46%)が3回目当選以下だ。若手議員は地域の支持基盤が弱く、「選挙の顔」となる党総裁への依存度が高くならざるを得ない。世論の圧倒的な支持を受けた河野氏ではなく岸田氏が当選したことが、自民党議席数にどのような影響を及ぼすかに関心が集まっている。

 岸田新総裁は、来月4日の臨時国会で菅義偉首相の後を継いで第100代首相に選出される。11月の衆議院選挙でも自民党が過半数を維持するのは確実で、大きな政治的激変が起こらない限り、自民党総裁の任期が終わる2024年9月まで首相を担うことになる。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1013191.html韓国語原文入力:2021-09-30 02:33
訳C.M

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