新型コロナワクチンの接種率が上がった現実を反映して、日本政府が10~11月から「ウイズコロナ」(段階的日常回復)への転換に乗り出すことにした。だが、伝染性の高いデルタ変異株の勢いが依然として強く、中途半端に防疫を緩和すれば危機を拡大しかねないとの憂慮もある。
読売新聞など日本メディアは8日、「政府は、新型コロナウイルスワクチン接種の進展に合わせ、段階的に行動制限を緩和する方針を固めた」として「10月にも実証実験を始めて11月以後に本格的に緩和に踏み出す計画」と報道した。日本政府は9日にも首都圏などで緊急事態宣言の延長を決めるのに合わせて、基本方針を決定する方向で調整している。感染状況に対応しながらも、自営業者の厳しい状況などを考慮して日常生活を少しずつ回復させる方式で経済活性化に乗り出すということが核心内容だ。
日本政府はこれまで、東京・大阪など厳格な防疫対策が適用される「緊急事態宣言」地域に対して、旅行や出張などの移動を自制することを要請してきた。だが、見直し後はワクチンを受けていれば規制しない予定だ。スポーツ競技、祭りなど大規模行事にも基準が緩和される。「QRコード」で濃厚接触者の追跡を可能にする対策が講じられ、ワクチンを接種済みまたは新型コロナ陰性が確認されれば、現在のように「5000人上限基準」を適用しない。レストランでの規制も解除される。日本政府の感染対策認証を受けたレストランの場合、酒類の販売はもちろん営業時間制限もなくすことにした。最大4人まで食事できるという人数制限も、ワクチン接種を受けていれば緩和することにした。
日本政府がこうした対策を出すのは、昨年初め以来すでに2年近く厳格な防疫基準が適用されており、零細自営業者や中小企業が多いレストランや旅行業などが直撃を受けたためだ。経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長は6日、菅義偉首相に会い「ウイズコロナ」の時期に合わせた社会・経済活性化のための提言書を手渡した。
日本政府が内外の懸念にもかかわらず「ウイズコロナ」のカードを取り出せたのは、ワクチン接種率が上がったためだ。日本の新型コロナワクチン接種率は、7日現在で1回目を受けた人は全人口の60%、2回目まで完了した人は48.3%を記録した。日本政府は、11月初めまでに希望する国民の大半に対してワクチン接種を終えることを目標にしている。それに伴い新規感染者数も減っている。7日の日本全国の新型コロナ新規感染者は1万605人で、火曜日基準で先月10日以来4週間ぶりに最も少なくなった。日本政府は新型コロナの拡散傾向を確実に抑えるために、12日に終える予定だった東京など首都圏に対する緊急事態宣言の期間は延長する予定だ。
だが、懸念の声も出ている。拡散傾向は鈍化しているとはいえ、感染者は依然として一日1万人以上と多く、病床不足で病院や療養施設に入院できずに自宅に留まっている感染者も全国で13万5千人に達する。1カ月前より3倍近く増えた数値だ。まともな治療を受けられないまま死亡する「医療崩壊」事故も相次いでいる。朝日新聞は専門家の話を引用して、感染状況が安定していない段階で緩和策を提示すれば、感染対策が緩みかねないと批判した。