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カブール入りしたタリバン「戦争は終わった」…アフガン大統領は国外逃避

登録:2021-08-16 10:28 修正:2021-08-16 14:58
米大使館、国民の避難を指示…外交官は17日までに撤収 
英国、ドイツ、オランダなど欧州各国も撤退に乗り出す
アフガニスタンの武装勢力タリバンが今月15日(現地時間)、アフガニスタンの首都カブールの大統領府を掌握した後、「戦争は終わった」と宣言した。大統領宮に進入したタリバン隊員たち=カブール/AP・聯合ニュース

 アフガニスタンの武装勢力タリバンが15日(現地時間)、アフガニスタンの首都カブールに入った後、「戦争は終わった」と宣言した。

 テレビ局「アルジャジーラ」は、タリバンの司令官らがこの日カブールの大統領宮で武装隊員数十人と一緒にいる映像を公開した。タリバンの隊員らはアフガン大統領宮を掌握した後、タリバン旗を掲げたと同放送は伝えた。

 タリバンの報道担当はアルジャジーラに「アフガンでの戦争は終わった」とし、統治方法と政権形態がまもなく決まると述べた。タリバンは「われわれは住民と外交使節の安全を支援するということを皆に保障する。すべてのアフガン関係者と対話する準備ができており、必要な保護を保障する」と述べた。

 現地放送の「1TV」は、夜になってカブール市内で数回爆発が発生し、空港周辺で銃撃が発生したと報じた。だが、カブール市内はおおむね静かだったとロイター通信は伝えた。

 アフガンのアシュラフ・ガニ大統領はこの日、フェイスブックに書き込んだ文で、流血事態とタリバンとの衝突を避けるために国を離れたと述べたが、ガニ大統領がどの国に発ったかは明らかにされなかった。内務省の高官は、ガニ大統領がタジキスタンに行ったと明らかにしたが、アルジャジーラは彼がウズベキスタンに行ったと報じた。

米国と欧州各国が今月15日(現地時間)、アフガニスタン・カブールにある大使館を閉鎖し、職員を撤収させ始めた中、カブール駐在米国大使館の近くで煙が立ちのぼっている=カブール/AP・聯合ニュース

 タリバンがカブールに進入すると、各国政府は急いで撤退をはじめた。カブール駐在米大使館は、現地の米国人に避難命令を出した。米大使館はこの日、警戒警報を通じて「(カブール)空港に銃撃が発生したという報告がある」とし「われわれは米国市民に避難するよう指示する」と明らかにした。

 米大使館の外交官らも全員撤収を始めた。CNNは、米国がカブールの大使館の全要員を17日までに退去させる計画だと伝えた。当初、大使をはじめとする最高位の高官や警護要員などの最小限の人員は現地に残すことにしたが、状況が悪化したため全員退去を決めたと同放送は伝えた。カブール駐在米大使館は、全世界の大使館のうち最大レベルの4200人の職員が勤務してきたという。

 英国やドイツなど欧州諸国も相次いでアフガン駐在大使館を閉鎖または暫定移転し、撤収を急いでいるとdpa通信などが伝えた。ドイツのハイコ・マース外相はツイッターで、カブール駐在大使館を閉鎖したことを確認し、すべての大使館関係者がカブール空港の軍事区域に避難したと明らかにした。ドイツ軍は16日からドイツ市民らを避難させはじめるだろうと同通信が伝えた。

 英国も軍を動員してアフガニスタン駐在大使と職員らを避難させ大使館を閉鎖すると、ザ・タイムズが政府高官の話として報じた。英国政府関係者は「空軍が外交官らを撤収させる予定だ。タリバンとは信頼関係がない」と述べた。英国は大使館の職員を含む英国政府職員500人、現地通訳者、救護団体従事者など計5500人をすべて撤収させる準備を始めた。

 オランダ政府はこの日、可能な限りカブール駐在の自国大使館が機能できるようにしつつ、大使館をカブール空港近くに移したと明らかにした。オランダ国防省は残った人員の退去のため軍用機1台をカブールに送った。イタリア、スウェーデンなども、自国の外交官または一部現地人職員の避難計画を明らかにした。韓国政府も現地大使館を暫定的に閉鎖した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1007807.html韓国語原文入力:2021-08-16 09:04
訳C.M

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