本文に移動

ノババックスの予防率は90%…韓国は第3四半期までに2千万人分導入

登録:2021-06-16 06:06 修正:2021-06-16 07:18
第3相臨床試験で90.4%の予防効果を立証…3月実施の英国では96% 
アルファ・ベータなど8種類の変異ウイルスの予防率も93.2%の効果
開発中のノババックスの新型コロナウイルスワクチン/AP・聯合ニュース

 米国の製薬会社のノババックスは、自社が開発した新型コロナウイルスワクチンが、米国とメキシコで実施された第3相臨床試験で90.4%の予防率を示したと明らかにした。ノババックスはこれに先立ち、英国で実施した第3相試験で96%の効果を示したと発表していたが、それに比べると効果は少し低くなっている。

 ノババックスは韓国と4千万回分(2千万人分)の供給契約を結び、今年の第3四半期中に最大2千万回分を導入する予定だ。ノババックスは第3四半期に米国や欧州などに使用承認申請を行う予定だ。

 14日(現地時間)のロイター通信などによると、ノババックスは米国とメキシコで18歳以上のボランティア2万9960人を対象に臨床試験を実施した結果、90.4%の予防効果があることが分かったと明らかにした。第3相の対象者のうち3分の2は3週間の間隔で実際のワクチンを2回接種され、残り3分の1にはプラセボ(偽薬)が投与された。

 4月末までの参加者のうち77人が新型コロナウイルス感染症に感染したが、うち63人が偽プラセボの投与群だった。ワクチン接種者のうち感染者は14人だったが、全て軽症患者だったと同社は明らかにした。重症感染に対するワクチンの予防率は100%だということだ。

 また、英国や南アフリカ共和国などに由来する「アルファ」変異ウイルスと「ベータ」変異ウイルスなど8種類の変異ウイルスに対する予防率も、93.2%とかなり高かった。これに先立ちノババックスは、11日に自社のワクチンを2回接種した臨床参加者30人の血清を分析した結果、アルファ変異とベータ変異に強力な中和反応を示したと明らかにした。

 ただし、このような評価結果は、現時点では有力な医学学術誌などに紹介される前の段階であり、間もなく検証手続きを踏むものとみられる。

 ノババックスのワクチンは、開発済みのファイザーとモデルナのワクチン(mRNA)やアストラゼネカのワクチン(ウイルスベクター)とは異なる「組換えタンパク質方式」であり、既存のB型肝炎ワクチンや子宮頸がん(HPV)ワクチンと同じ手法で作られる。これにより、安全性が良好で効果の持続性も優秀だと予想される。また、一般の冷蔵庫の温度で保管と流通が可能という点も、このワクチンの長所の一つだ。

 ノババックスは、3月に英国で実施した第3相試験で96%の予防率が現れたと明らかにしている。英国の試験ではボランティア約1万5000人が参加し、このなかでは新型コロナの症状が重症に悪化したり死亡した事例は発生しなかった。

 ノババックスは、第3四半期中に米国と欧州などに緊急使用承認を申請する予定だ。当初は早ければ5月には承認申請ができると発表されていたが、米国での第3相試験が遅れ、全体の日程が延びた。ノババックスのスタンリー・アーク最高経営責任者(CEO)は「米国食品医薬品局(FDA)などの各国の規制機関が要求する事項を完了でき次第、第3四半期に緊急使用承認を申請する予定」だとしながら、「初期の生産ワクチンの多くが中・低所得国に渡るだろう」と明らかにした。ニューヨーク・タイムズは、米国では18歳以上の成人の65%以上が少なくとも1回はワクチンを接種したため、ノババックスのワクチンは米国より他の国々でより多く必要になるだろうと指摘した。

 これに先立ち、韓国政府は今月からのノババックスのワクチンの導入を予告していたが、第3四半期に持ち越された。ノババックスは、SKバイオサイエンスと技術移転を含む委託生産契約を結んでいる。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/999384.html韓国語原文入力:2021-06-16 02:12
訳M.S

関連記事