中国が急激な高齢化の中で出生率も史上最低値に近づいているのは、子どもの養育費負担や家計負債などで生計が圧迫されるため、青年層が結婚と出産を忌避しているためだとの指摘が出た。中国の人口増加率は史上最低水準にまで落ち込んでおり、家族計画政策を全面的に廃止すべきだという主張が出ている。
12日の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の報道を総合すると、昨年中国で生まれた新生児は1200万人。これは1465万人を記録した1年前の2019年に比べ18%も減少したもので、1961年(1187万人)以来の最低値だ。同紙は「現在の人口規模を安定的に維持するための合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数)は2.1人だが、昨年の中国の同出生率は1.3人にまで下がった」とし「超高齢社会である日本の同出生率が1.369人であることを考えれば憂慮すべき水準」と報じた。
中国の統計当局は前日、第7次人口調査(2010~2020年)の結果を発表しつつ、「0~14歳の占める割合が第6次調査より1.35ポイント上がったのは、当局の出産奨励政策が功を奏したため」と強調したが、現実は異なるようだ。実際のところ、2015年に1655万人だった新生児は、一人っ子政策が廃止された2016年には1786万人にまで増えたものの、その後は2017年が1723万人、2018年が1523万人と、減少へと転じている。
同紙は「こうした現象は、子どもの養育費の暴騰と家計負債の増加により、1990年代以降に生まれた世代が結婚と出産を極度に忌み嫌っているため」と指摘した。同紙は「すでに2017年の家計支出において、子どもの養育・教育費が占める割合は26%台を超えている」とし「2019年に香港上海銀行(HSBC)が発表した報告書によると、中国の1990年代以降の出生者の収入に対する負債の比率の平均は1850%に達する」と付け加えた。
実際に中国政府の資料を見ると、昨年の中国の新婚夫婦は813万組で、前年に比べ12.2%も減少している。出産に対する否定的な視線も圧倒的だ。中国版ツイッター「微博」が昨年11月に28万4000人を対象として行ったアンケート調査では、「産児制限が全面的に廃止されたら、子どもは何人作りたいか」という問いに対し、回答者の半数を超える約15万人が「子どもは作らないつもり」と答えている。
同紙は、30代の女性事務職労働者の言葉を引用し「1940~50年代に生まれた(祖父母)世代は平均4人以上の子どもを産み、60~70年代に生まれた(両親)世代は政府の産児制限政策によって子どもは1人しか産めなかった」「我々の世代は、生活の質が落ちるから子どもは作らない」と報じた。
少子化は、急速な高齢化とあいまって危機感を増大させている。1970年には19.3歳だった中国人の平均年齢は急上昇し、昨年は38.8歳を記録した。同紙は、中国発展研究基金会(CDRF)が昨年発表した報告書を引用し、「2050年には、中国人の平均年齢は50歳に達する見込みで、60歳以上の高齢者は人口の3分の1ほどの5億人以上となるだろう」と報じた。
第7次人口調査の結果によると、子ども(0~14歳)の人口が2億5338万人であるのに対し、高齢者(60歳以上)は2億6402万人。中国で高齢者の人口が子どもの人口より多くなったのは、1953年の人口調査開始以来初めてだ。「グローバル・タイムズ」などの官営メディアがこの日、先を争って「家族計画政策そのものを廃止すべきだという声が高まっている」と報じたのもこのためだ。