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独仏伊など、アストラゼネカ製ワクチン接種を一時中止

登録:2021-03-17 06:56 修正:2021-03-17 07:30
血栓、血小板減少などの症状を考慮 
英国、カナダ、オーストラリアなどは接種を継続 
欧州医薬品庁、18日の会議で検討 
韓国「検討結果を見て後続措置とる」
アストラゼネカのコロナワクチン接種後に血栓が発生した疑いがあるとの報告が相次ぎ、ドイツ、フランス、イタリアなどの欧州の主要国も15日(現地時間)、同ワクチンの接種を一時見合わせることを決めた/ロイター・聯合ニュース

 アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン接種によって血栓(血管を流れる血液の一部が固まったもの)が生じたことが疑われるとの報告が欧州で相次いだことから、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどは15日(現地時間)、同ワクチンの接種を一時見合わせることを決めた。ロイター通信などが報じた。韓国政府は、18日に開かれる欧州医薬品庁(EMA)の会議の結果を見て、後続措置を検討することにした。

 欧州連合(EU)主要国のこうした決定は、同ワクチンの接種後に血栓が生じたり、血小板が減少したりするなどの症状が出たとの報告を受け、オーストリア、デンマーク、ノルウェー、オランダ、アイルランドなどの欧州諸国が相次いで同ワクチンの接種を一時中止したことによる措置だ。一方、英国、カナダ、オーストラリアなどは、同ワクチンの接種を続けることを明らかにしている。

 同ワクチンの開発に参加した英オックスフォード大学のアンドリュー・ポラード教授は、BBCのインタビューで、「欧州で接種回数が最も多い英国では、血栓が増加していないということを示す証拠がある」と述べた。しかしドイツ・ミュンヘンにあるシュバービング病院の感染症専門家クレメンス・ベントナー氏は「ドイツ保健省の発表によると、ワクチン接種者160万人中7件で疑われる事例があった」とし「1年間で100万人当たり2~5人の血栓症発生率より高い」と指摘した。

 世界保健機関(WHO)は、血栓発生などがワクチンと関係があるという証拠は確認されていないとし、接種を続けるよう求めた。WHOは、諮問団がこの件に関する報告を検討し、結果をできるだけ早く発表することを決めた。EMAによると、今月10日までに(英国を除く)欧州30カ国で約500万人がアストラゼネカ製ワクチン接種を受け、血栓などの副作用が疑われる事例は計30件報告されているという。EMAは18日に緊急会議を開き、副作用の疑われる事例について検討する計画だ。

 これについて、コロナ予防接種対応推進団のパク・ヨンジュン異常反応調査支援チーム長は、16日の中央防疫対策本部のブリーフィングで「現在までに把握しているところによると、(血栓との)関連性を確認したという根拠を提示している国はない」とし「隣接国家でも、予防的観点から、調査結果が確認されるまで特定のバッチ(batch、製造単位)または特定のワクチンの接種を一時保留するか、中止する措置を取っていると認識している」と説明した。続けて「欧州で同ワクチンの安全性を科学的に評価する機構であるEMAが、18日に緊急会議を開催する計画を発表しているが、その会議の結果を鋭意注視する予定」とし「それ以外にも、その他の国の状況、新たな情報もまとめて綿密に検討し、その結果に沿って後続措置の方向性を検討する」と付け加えた。

シン・ギソプ先任記者、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/987048.html韓国語原文入力:2021-03-16 19:00
訳D.K

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