イラン政府が韓国に凍結されているイランの資金の移転および使用と関連し、韓国政府と合意したと発表したが、韓国外交部は米国など関係国と協議する必要があるとし、イラン側の発表を否定した。
イラン政府は22日午後(韓国時間22日夜)、公式ホームページで、ヘンマティ・イラン中央銀行総裁が前日にユ・ジョンヒョン駐イラン韓国大使と面会し、韓国内の凍結資産の移転と使用方法に合意したと発表した。
イラン政府は「(テヘランの)韓国大使館の要請で行われた同日の会談で、イランの(凍結)資産をイランが望むところに移転することで合意し、イラン中央銀行が韓国側に移転を望む資産の金額と送金銀行を通知することにした」と明らかにした。イラン政府はまた「韓国(のユ・ジョンヒョン)大使が『韓国はイランが韓国内のすべての資産を使用するために必要なあらゆる措置を取る準備ができている』とし、『これにはいかなる制限や制約もない』と述べた」と付け加えた。
イラン政府の発表によると、ヘンマティ総裁は(イラン資産凍結解除問題に関する)ソウルの態度の変化を歓迎しながらも、「イランは態度の変化と協力の強化を歓迎するが、イラン中央銀行は韓国の銀行がここ数年間イランとの協力を拒否したことに対し、補償を要求するための法的手続きを引き続き進める」と述べた。また「韓国側はこの否定的な記録を消すために多くの努力をする必要がある」と付け加えた。2018年に米政府がイラン中央銀行を制裁対象に指定した後、韓国で凍結されたイランの石油輸出資金は総額70億ドルに達すると推算される。
韓国外交部は、イラン政府の交渉妥結発表を否定した。外交部関係者は同日夜、ハンギョレの電話インタビューで、「イランの凍結資金解除問題は米国など関係国との協議を通じて実現するもの」だと述べた。
これに先立ち、イランは先月4日、ペルシャ湾の環境を汚染したという理由で、韓国ケミ号と韓国人5人の船員20人を抑留し、韓国に凍結された石油輸出代金が原因と指摘された。イランは2日、船長を除く船員19人の抑留を解除することを決めたが、汚染調査のために船舶抑留は続けるという立場であり、船員の帰還日程に支障が生じた。今月10日、抑留された韓国人船員のうち1人が健康上の理由で帰国した。