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中国、米国を抜き投資誘致世界1位

登録:2021-01-26 06:08 修正:2021-01-26 10:26
新型コロナにより全世界の外国人直接投資は前年比で42%減少 
中国、前年比4%増の1630億ドルを誘致 
先進開発国で急落傾向…米国、前年比49%減 
「サプライチェーンへの依存は懸念しても、中国市場を失うことはできない」
25日、中国経済の中心地である上海の地下鉄の駅で、マスクをつけた市民が携帯電話を見ながら歩いている=上海/ロイター・聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症による世界的な景気後退のなか、中国が史上初めて米国を追い抜き、外国人直接投資(FDI)の最大誘致国に浮上した。世界経済の“中心軸”の移動が激しくなっているという分析が出ている。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は24日に発行した最新の『投資動向報告書』で、「新型コロナウイルスの流行により、昨年の全世界におけるFDIは、前年比で42%も急減した8590億ドルにとどまった」とし、「一方、中国は前年比で4%増えた1630億ドルを誘致し、世界最大の投資誘致国になった」と明らかにした。

 UNCTAD側は、新型コロナの発生初期までは、中国に対する外国人の直接投資は大幅に下落すると予想した。しかし、防疫の成功にともない昨年4月以降、中国経済が早く回復し、先端企業(11%)を中心とした投資が増えた。特に、情報通信や製薬などの分野でも買収・合併が前年比で54%も急増したことが明らかになった。

 一方、先進開発国の全般的な困難のなかで米国に対するFDIは、前年比で49%減の1340億ドルにとどまった。ウォールストリート・ジャーナルは「2016年に史上最大規模の4720億ドルのFDIを誘致した米国は、以後、下り坂に入った。一方、同年に1340億ドルを誘致し、米国との格差が大きかった中国は、継続的に投資誘致を増やしてきた」と伝えた。

 昨年の全世界におけるFDIの規模は総額8590億ドルで、2005年以来初めて1兆ドル台を切った。特に欧州と北米などの先進開発国の減少傾向が明確で、前年比で69%も急落した2290億ドルを誘致するにとどまった。欧州連合(EU)は71%も急減したが、新型コロナによる被害が大きかった英国とイタリアには新規投資誘致が全くなかった。

 南米(37%)やアフリカ(18%)などでは新規投資誘致が大幅に減少し、発展途上国も全体的に前年比で12%の投資減少の傾向を示した。しかし、世界のFDIの72%に相当する6160億ドルを誘致し、割合でみると史上最高値を記録した。昨年の海外直接投資の増加率が最も高い国は、デジタル分野を中心に前年比で13%増加したインドだった。

 ウォールストリート・ジャーナルは「FDI統計は、米国を中心とする欧米先進国が長期間掌握してきた世界経済の中心軸が東に移動していることを如実に示している」とし、「米中貿易戦争の余波で、各国の企業がサプライチェーンなどで対中国依存度を減らすだろうという予想があったが、中国市場を失うことになるのをより大きな脅威だと認識したものだとみられる」と指摘した。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/980227.html韓国語原文入力:2021-01-26 02:04
訳M.S

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