2012年ロンドン五輪の組織委員会副会長が「東京五輪は中断される可能性が高い」と明らかにするなど、日本内外で五輪懐疑論が急速広がっている。東京五輪の開幕が半年後に迫った状態で、世界的に新型コロナが再拡散しているうえに、日本の国内世論も良くないことが影響を与えている。
共同通信は「2012年ロンドン五輪の組織委員会副会長を務めたキース・ミルズ氏が19日、英国のBBCラジオ放送に出演し、新型コロナの感染が広がっている状況で、今夏の東京五輪は中止される可能性が高いとの見解を明らかにした」と報道した。彼は「五輪開催の可否は1~2カ月以内に判断されるだろう」とし「2024年にはパリ五輪が予定されていて、再延期は難しい。東京の組織委にも中止の計画があると見られる」と話した。また、同氏は放送で「五輪は世界最高の選手が参加しなければ、メダルの正当性が失われる」として「どれくらい多くの国の選手が安全に東京に来て競技できるかが判断の基準になるだろう」と伝えた。
これに先立って米国のニューヨーク・タイムズとブルームバーグ通信は15日、新型コロナの拡散と低調な日本の世論などを理由に挙げて、東京五輪中止の可能性を報道した。河野太郎行政改革担当相に続き、自民党の核心幹部である下村博文政調会長も最近、五輪開催に対する不確実性を論じた。また、日本国民の間でも東京五輪開催に対する懐疑論が広がっている。共同通信が9~10日に実施した電話世論調査結果によれば、回答者の80.1%が東京五輪を中止するか再延期すべきと答えた。
日本では聖火リレーが始まる3月25日前後に五輪開催について決定されるとの見方が優勢だ。昨年の東京五輪延期の決定も、大会を4カ月後に控えた3月24日になされた。日本政府の関係者は毎日新聞のインタビューで「「無観客開催を打ち出さないまでも、まずは『海外客を受け入れない』と踏み込めば、世論対策になるのではないか」と話しながらも「3月初旬になっても緊急事態宣言が解除できないような状況なら、(五輪)中止も覚悟しなくてはならない」と伝えた。