本文に移動

日本、「慰安婦賠償判決」国際司法裁判所への提訴を検討

登録:2021-01-11 06:14 修正:2021-01-11 07:20
「訴訟却下」を韓日関係改善の前提条件とすることも
日本の菅義偉首相=東京/AFP・聯合ニュース

 日本政府が韓国の裁判所の日本軍「慰安婦」被害者への賠償判決の結果について、国連の最高法廷である国際司法裁判所(ICJ)に提訴する案を検討していることが報じられた。また、日本が強制動員問題において現金化をまず解決するよう要求したように、「慰安婦」訴訟の却下を韓日関係改善の前提条件にすることがありうるという懸念も出ている。

 朝日新聞は10日、「日本政府が国際司法裁判所への提訴を検討している」と報道した。中南米とアフリカを歴訪中の日本の茂木敏充外相も9日午後、オンライン形式の記者会見を通じ、国際司法裁判所への提訴について「あらゆる選択肢を視野に入れて毅然と対応したい」と明らかにした。日本は、韓国の裁判所が他国の主権行使は裁判対象にはできないという慣習法である「国家免除」(主権免除)を認めないなど、国際法に違反したとみている。

 ただし、国際司法裁判所への提訴については、日本国内からも慎重論が出ていることがわかった。読売新聞は外務省高官の言葉を引用し、「主権免除が認められるとしても、慰安婦問題が再浮上することがありうる」とし、懸念する声もあると伝えた。また同紙は、「韓国政府が提訴に応じない可能性もある」と予想した。韓国政府は1991年の国際司法裁判所加入時に「強制管轄権」を受け入れず、日本政府が提訴しても韓国が応じなければ訴訟自体が成立しない。

 このような理由から、日本政府は提訴を検討しながらも、韓国政府側に解決策の用意を要求する方針だ。国家免除という障壁が崩れただけに、さらなる訴訟が後に続くことが起こり得るため、裁判所の判決に対しては控訴を含め一切対応せず強硬対応を維持する予定だ。茂木外相は9日午後、カン・ギョンファ外交部長官と約20分間電話で会談し、「(裁判所の判決は)極めて遺憾」だとしながら、「国際法違反を是正するための措置を早急に講じてほしい」と促した。

 これに対しカン長官は、韓国政府がすでに明らかにした立場を説明した後、日本政府側に過剰な反応は自制するよう求めたと外交部が明らかにした。これに先立ち、外交部は8日の論評で、「この判決が外交関係に及ぼす影響を綿密に検討し、韓日両国間の建設的で未来志向的な協力が続くよう、様々な努力を傾ける」と明らかにしている。裁判所の判断については韓国政府も直ちに問題を解決できる方法がないため、韓日関係の冷え込んだ期間が長引くだろうという見方が優勢だ。

 問題は、日本政府が強制動員に続き「慰安婦」賠償判決を韓日関係改善の前提条件にして、様々な分野で非協力的になる可能性があるという点だ。日本は昨年末、韓国で開催される予定だった韓中日首脳会議に関し、強制動員判決による資産現金化問題をまず解決するよう求め、事実上不参加とする意向を様々な経路で伝えてきた。韓中日会議は結局中止となった。菅義偉首相は「慰安婦」判決が下された8日夜、記者団に会い、「日韓関係の冷え込みにどう対処するのか」という質問に、「まず、この訴訟が却下されるべきで、そこから始まる」と答えた。 朝日新聞のウェブマガジン「論座」は、「日韓間には新型コロナや福島周辺海域の汚染水、輸出規制など課題が山積している」とし、「菅首相の発言は(「慰安婦」判決の)却下がないと対話のテーブルにつけないという意味に聞こえる」と批判した。

キム・ソヨン、キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/978114.html韓国語原文入力:2021-01-11 02:32
訳M.S

関連記事