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「私たちが働きたかった会社ではない」…グーグルが労働組合を結成

登録:2021-01-06 04:58 修正:2021-01-06 07:36
親会社のアルファベットに約200人が労働組合を設立 
最近性暴力問題などでも労使が対立 
 
労働組合「私たちが働きたかった会社ではない 
『邪悪になるな』のモットー通りに生きる」
米国カリフォルニアのマウンテンビューにあるグーグルの社屋。4日、グーグルの親企業アルファベットの職員は会社を批判し労働組合を設立した/AP・聯合ニュース

 一時は「夢の職場」と呼ばれたが、最近は社内での性暴力などの問題で労使が対立していたグーグルに労働組合が設立された。

 グーグルの親企業の「アルファベット」の職員約200人は4日(現地時間)、アルファベット労働組合を設立したと明らかにした。グーグルのような世界的な情報通信企業で労働組合が設立されたのは極めて異例だ。労働組合の委員長を引き受けたパルル・コール氏と副委員長のチューイー・ショー氏はこの日、ニューヨーク・タイムズに掲載された「私たちがグーグルを作った。私たちが働きたい会社ではない」という題名の寄稿文で労働組合の設立を知らせた。彼らは寄稿文に「私たちの会社の座右の銘は『邪悪になるな』だったが、組織化された労働力は、私たちがそれに応じる助けになるだろう」と書いた。

 「夢の職場」と呼ばれたグーグルでは過去数年間、社内の性暴力問題などで会社と労働者間の対立が深まった。ニューヨーク・タイムズは、グーグルが「アンドロイドの父」と呼ばれたアンディ・ルービン首席副社長による社内での性暴力の申告を受けてからも事件を隠し、ルービン氏に9000万ドル(約92億円)を与え2014年に退社させた事実を2018年に報道した。この報道後、グーグル職員約2万人が会社を批判しデモを行った。最近は、人工知能(AI)専門家のティムニット・ゲブル氏がグーグルのAI技術が性的そして人種的にかたよっているという批判を提起すると解雇され、議論になった。

 パルル氏とチューイー氏はニューヨーク・タイムズへの寄稿文で「私たち二人はソフトウェアエンジニアだ。そして私たちは、当社の構造に変化が必要だと信じる労働者200人以上が加入したアルファベット労働組合の委員長と副委員長に選出された」と明らかにした。彼らは社内性暴力および最近のゲブル氏の解雇問題とともに、グーグルが「米国国防省のためにAIを開発し、“ヘイトグループ”(各種の差別や憎悪を扇動する団体)が出す広告から利益を得ている」と批判した。「労働組合に対して懐疑的であったり、IT企業では労働組合がなければより革新的になりうると信じる人々に、私たちは(グーグルで)差別と虐待のような問題が続いていることを指摘したい」とも述べた。彼らは「グーグルが2004年に上場した際、(グーグル創立者は)グーグルは『たとえ短期的な利益を放棄しても世界のために良いことをする』と語った。モットーは『邪悪になるな』だった」とし、「私たちはそのモットー通りに生きる」とした。

 アルファベット労働組合は組合員に報酬の1%を会費として徴収して運営し、AT&Tのような大企業が属している米国通信労働組合の所属になる予定だ。ただし、アルファベット・グループの職員約13万人のうち組合員は現在約200人に過ぎない少数労働組合であるため、会社を相手に賃金交渉のような伝統的な労働組合が果たす役割を担うのは難しい見込みだ。

チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/977389.html韓国語原文入力:2021-01-06 02:47
訳M.S

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