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安倍前首相に対する検察の任意聴取めぐり官邸陰謀説も浮上

登録:2020-12-07 06:24 修正:2020-12-07 07:11
長期政権の弊害指摘する声も
日本の安倍晋三前首相が今月4日、国会議事堂で取材陣に「桜を見る会」をめぐるスキャンダルに関する検察の事情聴取について答えている=東京/AFP・聯合ニュース

 安倍晋三前首相をはじめとする日本の政治家の腐敗スキャンダルが相次いでいる。自民党長期政権の弊害を指摘する声から「官邸陰謀説」まで、様々な見通しが飛び交っている。

 安倍前首相は「桜を見る会」関連の不正事件と関連した検察の調査に応じる予定だ。東京地検特捜部は安倍前首相に任意の事情聴取を要請した。

 検察の捜査の結果、2015~2019年(公訴時効が認められた期間)の政府行事「桜を見る会」の前日に東京都内の高級ホテルで支持者らが参加して開かれた前夜祭費用の一部である約916万円を安倍前首相側が補填したことがわかった。検察官出身の郷原信郎弁護士は「この問題は安倍前首相事務所の金の流れと関連がある事案」とし、「長い間政治資金収支報告書に記載しなかったことはかなり悪質な(政治資金規正法)違反」だと述べた。

 「安倍一強」体制で強大な権力を振るった安倍前首相には牽制勢力がなかったため、長期間の法違反も意に介さなかったようだ。安倍前首相は首相時代の代表的不正腐敗事件である森友学園問題(不起訴)や加計学園問題(捜査開始できず)でも法の網をくぐり抜けた。今回の「桜を見る会」スキャンダルについても、安倍首相は「報告を受けていない」と釈明しているが、政治的打撃はかなり大きいものと見られる。

 読売新聞は「自民党では首相出身者が検察の事情聴取の対象になったことに衝撃を受けている」とし、「安倍前首相の影響力が低下し、首相の“再登板”に触れる人もいなくなるだろう」と報じた。このため一部では「官邸陰謀説」もささやかれている。辞任した安倍前首相が本格的に政治活動を再開し、来年の自民党総裁選に再び出馬する可能性があるとされたことで、「危機感を感じた官邸が(検察を)密かに動かせた」という噂が週刊誌などを通じて流れている。

 しかし、安倍前首相だけでなく、有力自民党関係者が次々に検察の取り調べを受け、党内の危機感も高まっている。最近、吉川貴盛元農林水産相が在職中の2018~2019年に鶏卵生産大手の「アキタフーズ」から500万円を受け取った疑いで検察の捜査対象となった。彼は大臣室で現金を受け取るなどモラルハザードが深刻だった。これに先立ち、自民党所属の河井克行・案里前法相夫妻は、参議院選挙で現金を渡すなどの公職選挙法違反容疑で起訴され、裁判を受けている。昨年12月にはカジノが含まれた複合リゾート事業と関連し、中国企業から賄賂を受け取った疑いで自民党議員が逮捕されたこともある。

 立憲民主党の安住淳議員は「自民党が長期執権で傲慢になっている」と指摘した。共産党の穀田恵二議員も「一連の不正腐敗事件は自民党長期政権のひずみ」と批判したと、毎日新聞が報じた。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/972995.html韓国語原文入力:2020-12-07 02:43
訳H.J

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