日本の検察が「桜を見る会」と関連する不正事件に対し、安倍晋三前首相を直接取り調べる方針を示した。安倍前首相が直接関与した代表的な「3大不正腐敗」事件のうち、森友学園、加計学園では法の網を逃れたが、退任後、「桜スキャンダル」で捜査が足元まで迫ってきた。
NHKは3日、東京地検特捜部は安倍前首相本人に対する「任意の事情聴取」を要請したと報じた。事件の事情あるいは情況を聞くための日本の検察の調査方法の一つである任意の事情聴取は、拘束されていない被疑者あるいは参考人を対象に行われる。召喚取調べまたは訪問取調べいずれも可能だ。
現在捜査対象になっているのは、政府の公式行事である「桜を見る会」の前日に開催された前夜祭の費用問題だ。検察は、安倍前首相が同事案についてどこまで介入したのか、報告を事前に受け取ったのかなどを調べるものとみられる。検察は事件に関わった安倍前首相の秘書を立件する方針だという。検察が前首相を直接取り調べて秘書を立件するだけに、この事件の犯罪容疑についてはかなり立証できているものという分析が出ている。安倍前首相が直接的な刑事処罰を受けないとしても、政治的打撃は大きくならざるを得ないものとみられる。
安倍前首相は2013年から昨年まで、毎年4月に政府主催で「桜を見る会」行事の前日に東京の高級ホテルで前夜祭を開いた。主に安倍前首相の支持者らが参加した。参加者は5千円を出したが、ホテル側が明らかにしたイベントの費用は1人当たり1万1千円ほどと知られ、安倍前首相側が差額を補填したのではないかという疑惑が浮き彫りになった。安倍前首相はこれまで国会に出て「差額を補填したことはない」と述べ、事実を否定してきた。全国の弁護士や法学者など900名余りはこれを機に、今年5月に安倍前首相と会計責任者などを公職選挙法(寄付行為)や政治資金規正法違反(未記載)容疑で検察に告発した。
検察の捜査の結果、安倍前首相事務所が前夜祭費用を一部負担したことがわかった。朝日新聞は「2013年から計7回開かれた夕食会のうち、時効にかからない2015年以降の5回で安倍氏側が負担したのは計約916万円だった」と金額まで特定している。場所を提供したホテル側が領収証も発行したという。このような内容を、安倍前首相側は選挙管理委員会に提出する政治資金収支報告書に記入しなかったことがわかった。
捜査が本格化されると、告発に出た全国の弁護士や法学者たちは安倍前首相が嘘に嘘を重ねていた点を上げ、今月1日、正式起訴を求める要請書を東京地検特捜部に渡すなど、検察の厳正な捜査に圧迫を加えている。